この時期は通常はよく晴れて、空気もパリッとしていて、寒いけれど好きな季節のひとつです。ところが、今年はいつになく雨が多いような気がします。低温で植物が休眠している間にしておかなければならない庭仕事がいろいろとあるのに、晴天日が長く続かないのでなかなか手をつけられずにいます。
先週末は珍しく晴れて気温も比較的穏やかだったので、ずっと気になっていたことに手をつけました。家の裏口の横には玉石を敷いた場所があるのだけれど、石の下に黒い不織布を敷いていたにもかかわらず、横から侵入してきた芝が土の中に根を張って、不織布を突き抜けてわさわさと茂ってしまったのです。これは本当に手強い芝で、つながった根が全体に張り巡らされているので、夏の間は抜いても抜いても次々と生えてくる上に、玉石が邪魔で根こそぎ取り除くことができずにいました。これはもう、一旦枯れて根が弱くなる冬まで待つしかないとそのままにしておいたのだけれど、もう見るのも厭でした。お見せするのも恥ずかしい…
いざ作業を開始して、まずは玉石を取り除いて…と思いきや、これが結構深いところまで埋まっています。土を手持ちシャベルで掘り返して、最初は小石をひとつひとつ拾っていたのだけれど、とんでもなく時間がかかります。そこでなにか篩(ふるい)になるものはないかと家の中を探したら、100均で売っているようなプラスチックのカゴがあったので、土ごとカゴに入れてふるい、石を選別しました。そうしながら芝を引き抜いて根絶やしにして、丸二日かけてようやくまっさらな空間になりました。
こんな狭い場所に二日間もかかるなんて。そして、これが終わりではなく、不織布を敷いて玉石を戻さないといけません。できれば玉石は洗いたいし。
そして月曜日は雨。作業は一時休止。
月末なので、今月読んだ本の話でも。
今月はたったの3冊しか読んでいません。それも1冊(シリーズ)はマンガです。
なぜこんなに少ないのかというと、我慢して我慢してなんとか読み終えようと頑張った本を途中で放棄してしまったからです。ローラ・インガルス・ワイルダー(「大草原の小さな家」のローラ)の伝記で、書評を読んだ時にどうしても読みたくてフルプライスで買った本なのに、とにかく長くて、あまり必要じゃない情報も多いような気がして、挫折しました。半分ぐらいしか読んでいないけれど、ローラの人生は「大草原の小さな家」の幸せな家族というイメージからは程遠いものだったようです。またいつか再挑戦します。
1月に読んだ本:
町田康「私の文学史 なぜ俺はこんな人間になったのか?」
NHKのラジオ韓国語講座を聴いていた時に、他の番組に町田康の文学講座があって、ちょっと聴いてみたら面白かったので、それが本になったものを電子書籍で買いました。ご本人には失礼かもしれないけれど、町田康さんは私に似ているところがあるような気がするのです。だから「なぜ俺はこんな人間になったのか?」をぜひ知りたいと思ったのです。文学講座だから、文学を通しての経験や文学への思いなどがつづられているのだけれど、「自意識という殻をやぶって、正直に書く」ことが最高の文学への道だということなのだと受け取りました。
水樹和佳子 「イティハーサ」
小学生の頃に読んでいた懐かしい少女漫画が無料で読めるサイト(合法、広告表示あり)があると知り、その他の漫画を見てみたら、このイティハーサがありました。読み始めて思い出したのだけれど、これは昔、確か妹が持っていた少女漫画誌で途中の1話だけ読んだことがあったような。1話だけだったので詳しい内容はよく分かりませんでしたが、神話のような印象的な話で、何か恐ろし気であったことを覚えていました。今回全話通して読んでみたら、なんとも深い話で驚きました。善と悪を描いた物語なのだけれど、一般的な善と悪の概念を覆すような、それでいて納得してしまう、壮大なドラマが描かれています。若い頃にこれを読んでいたら、理解できたかどうかわかりません。
北杜夫 「どくとるマンボウ 青春の山」
なぜ今、北杜夫かというと、前出の町田康の本に、北杜夫を読んでいた、とあったからです。とはいえ、買わずに読める本はなかなか見つからず、なんとか見つけたのがこの本でした。太平洋戦争終盤に、山と昆虫が好きだったことから長野県の旧松本高校(信州大学の前身)に入学し、本土決戦で来るべき死について悶々としながら山登りをした日々のことや、ヒマラヤ登山のこと、父・斎藤茂吉のことや、上高地の宿のおかみさんに「偉い人ではない」と言われた母のことなどを綴ったエッセイ集です。