2024年1月26日金曜日

おひとり様でP&Q

 

 

 先週のマイナス気温から一転して、今日は気温が76℉(25℃近く)まで上昇しています。外は春のような陽気で屋内の暖房も入らないから、窓をあけて換気をしています。今朝ふと庭の隅を見ると、水仙の葉がニョキニョキと現れて、花芽まで付いていることに気付きました。

さてさて、ワタクシ、只今ひとりでP&Q(Peace and quiet)を満喫しております。数日前から夫がプライベート(野球関係のお楽しみ)でニューヨークに1週間ほど出かけていて、息子とSちゃんもお友だちの誕生日のお祝いにお隣の州に出かけてしまいました。 いやー、久しぶりの独身生活、楽しいなぁ。

さぁ、何をしようか…と思って始めたのは、キッチンの掃除。どうして?

そして今朝は米麹づくりを始めました。以前、戴き物の米麹を使って共麹を作ったことはあったのだけれど、 あまり上手に出来なかったので麹菌を購入して本格的に作るつもりでいたのです。でも、初心者だからそれぞれの工程に集中しなければいけないのが面倒で先送りしていました。家族が留守の今なら、家事をしなくてもいいから、作るなら今しかないと思って始めました。アタフタして写真を撮る余裕なんてまったくなかったので、電気毛布で保温中の姿を…。

 

 今週は私もあまり仕事が入っていなかったので、夫と一緒にニューヨークに行ってもよかったのだけれど、今回は日本から夫の友人が来ていろいろなスポーツイベントに出かける予定だと言うので、まあ、ブロマンスの邪魔をしてはいけないなと私は家に残ったのでした。

案の上、夫たちは昨夜はプロバスケ(New York Knicks)の試合に出かけたそうで、「近くの席にダラス・カウボーイズのチアリーダーが座ってた」と嬉々としてメッセージを送ってきました。「(友人の)Y(さん)が喜んでた」と言うから、「いや、アナタもでしょ」と思ったんだけど、That's great!と返信しておきました。まぁ、今に始まったことじゃなく、日本でも横浜スタジアムに友達と出かけると、ビールの売り子さん(と言うのかな)と仲良くなったというような話ばかりで、肝心の試合の話をあまり聞いたことがないという。くくく。

私は私で、来月に旅行の予定があるのです。誕生日ということもあり、娘と彼氏のH君が私を旅行に連れて行ってくれるのですって。でも、行先は娘が決めるのです。というか、もともとは二人の旅行の予定だったのだけれど、ちょうど私の誕生日の頃だから一緒に行こうという話になったのでした。どこに行くかというと、外国です。「海外旅行」じゃないのは、海を渡らないから。というと、カナダかメキシコしかありませんが、今回はメキシコの首都、メキシコ・シティに行ってきます。

メキシコ・シティと聞いた時、ふうむ、そこには何があるのだろう…とちょっと戸惑いました。メキシコのことなんて、何にも知らないな、と。娘たちのあとを付いて行けば、美味しい物も食べられるだろうし、素敵なものやキレイなものも見られるに違いないけれど。

ずっと前にソウルに行った時も、その頃は韓国ドラマも見ていなかったし、ハングルだって読めなかったし、歴史も知らなくて、ただただ観光名所を訪れただけだったのだけれど、今思えば、国立中央博物館には少し前に「風の絵師」というドラマで見た金弘道(キム・ホンド)の本物の絵があるのに、当時は何も知らずに前を通り過ぎていたんだろうな、と思ったりするのです。

だから、今回はメキシコについて少しでも知識を得て行こうと思ったのでした。最初にHistory of Mexicoという教科書のような本を図書館で借りて、とりあえず歴史の概要を学び、次に「古代マヤ・アステカ不可思議大全(芝崎みゆき著)」という本を読みました。これが、とっても面白い本でした。昔なつかしいガリ版刷りのような手書きの文章とイラストで、マンガのようでもあるけれど、内容は史実をもとに詳しく説明されています。マヤ文明についてもアステカ文明についても私は何も知らなかったけれど、旅行の基礎知識としてはこれ一冊で十分かもしれません。興味のある方にはオススメです。

   古代マヤ・アステカ不可思議大全  Fifth Sun: A New History of the Aztecs

そして今読んでいるのは、「Fifth Sun」(by Camilla Townsend)という、スペインの侵略者たちがやってくる前後の出来事をメキシコの先住民の記録から検証したという本です。これは購入した本だから返却期限がないので、ちっとも進みません。ちなみに、アステカ文明ではこれまでにある周期を経て4回太陽が消滅し(すなわち人類も)、今私たちは5つ目の太陽の下に生きていることになっています。この5つ目の太陽が消滅する日は分かっていないものの、地震が原因となるとはっきり伝えられているそうですよ。

そして、今まで韓国ドラマを観ていた夜の時間には、Great Courses というレクチャーシリーズで30分程度の講義が48回分もあるマヤ・アステカ文明の講義を視聴しています。これは本当は有料の講義なのだけれど、Kanopyという図書館の映像配信アプリで無料で見られます。Great Courses には他にもいろいろな講義があって、これを使わない手はないな、と思いました。メキシコ文明の権威ある大学教授の一般人向けのレクチャーなのだけれど、かなり詳しく説明していて(48回もあるので)、その多くが前述した「古代マヤ・アステカ文明不可思議大全」とオーバーラップしています。

と、私のひとときの独身生活はメキシコ一色なのでした。

2024年1月22日月曜日

寒波到来

 

寒いです。数日前から朝の気温がとうとう氷点下になりました。この冬、アメリカ東海岸にはすでに何度も冬の嵐がやってきて、幸いこの地域ではまだ雪は降らないものの、もう少し北の方に行くと大雪で交通機能が麻痺したり、人的被害も発生しているそうです。

我が家の畑の野菜はすべてガチガチに凍ってしまいました。触るとポキっと折れてしまいそう。これまでに何度か霜に当たったときには、気温が上がるとまた元気になっていたのだけれど、今回はどうでしょうか。ルッコラはかなり丈夫で放っておいても冬を越すと言うし、小松菜やホウレンソウは‐15°まで耐えるそうで、むしろ寒さに当たったほうが美味しくなるのだそうです。凍って枯れないように必死に糖を作るのだとか。素晴らしい生命力です。でも、連日のマイナス気温には耐えられるのかなぁ。天候に関しては私には何もしてあげられないから、毎朝「がんばれー」と声をかけてあげるだけです。本当かどうかは知りませんが、植物には人間の声が聞こえているというから。

そういえば、コロナ禍で2年近く留守にしていたこの家に帰って来た時、室内のモンステラが可哀想な姿になっていました。息子が水遣りをしてくれなかったから。小さな葉が2枚ぐらい残っていただけだったのだけれど、私が水遣りを再開したら、また新しい葉が出てくるようになりました。ある日、Sちゃんがそれに気づいて、「わぁ、こんなに戻ったんですね」と言うから、モンステラに私の声が聞こえて「わーい、あの人(水遣りをしてくれる私)が帰ってきた!」って喜んでるんだよ、「でも、まだあいつ(水遣りをしない息子)の声もする」ってきっと思ってるよ、という話をしたのでした。

 

寒波が来る前に大根をすべて収穫しました。大根は水分が多いから地上に出ている部分が凍るとそこから腐ってしまうというし、あまり長く放っておいても、スが入って美味しくなくなってしまいそうだったから。

赤い大根はチャイナローズという品種で、実はスプラウト用の種ミックスの中に入っていた種を植えてみたものです。それにも2種類あって、一つは少し紫がかった赤で長いものと、二十日大根(ラディッシュ)が巨大化したような真っ赤なもの。二股に分かれてしまったのが紫系の紅大根で、これは路地植えであまり長くならなかったけれど、以前収穫した袋栽培のものは、長くてきれいな色でした。

丸い大根は紅芯大根。英語では緑の縁と赤い中心がスイカに似ていることからウォーターメロン・ラディッシュと呼ぶようです。よくサラダなどに使われていますね。採りたてをスライスして食べてみたら、甘かった!

 

そして、青首大根。大根よりも葉の方が立派に育ってしまったのは、土壌の窒素過多でしょうね。来年は肥料少なめにしないと。大根は袋栽培のほうがきれいにできることがわかりました。あと、知識不足でオクラの後に大根を植えてしまったため、路地植えの大根は表面にセンチュウの被害と思しき傷がついてしまったのが残念。センチュウが嫌がるというマリーゴールドをすき込んではおいたのだけど。野菜作りは日々学習あるのみ、です。

先日、銀色夏生さんという人の「自然農一年生 畑は私の魔法のじゅうたん」という本を読みました。著者の名前はどこかで聞いたことがある程度にしか知らなかったのだけれど、80年代や90年代に作詞家として数々のヒットソングを手掛けてきた人だったんですね。その後も作家としてたくさん本を出版されているようです。この本は、ご自身のお子さんが独り立ちする機に、東京を離れて九州のご実家の近くで自然農の畑を始めて、それを食する日々を綴ったエッセイです。

そのきっかけとなったのは、自然農園を営んでいる方が配信しているYouTubeの動画だったそうで、そこで紹介されていた言葉に共感して自らも自然農の畑で野菜を栽培することにしたといいます。

「野菜がわずかな量しか採れなくても、そこに質の高い生命(いのち)が凝縮していると捉えればいい。私たちの身体と心が質の高い生命を取り入れれば、ほんの少しの量で、健康で楽しくいきいきと生きていける。・・・」

野菜の生命力をいただいているという感覚、これは私も共感します。寒さで凍てついても枯れないように一生懸命に糖を作る野菜を食べてしまうことが申し訳なくて、一株まるごと収穫するのではなく、外側の葉から大事に大事に切り取ったり、根菜は葉も無駄にせずに食べたり、と。そして、この本の著者が野菜の成長を楽しみにして毎朝畑に足を運ぶ姿や、野菜の成長ぶりに一喜一憂する姿も、私自身の経験と重なって、うん、うん、と頷きながら読みました。

今週は少し気温が上がるというから、畑の野菜にはひと踏ん張りしてもらいましょう。 

紅大根の葉っぱの乳酸発酵お漬物 

 

2024年1月13日土曜日

スケジュール帳

 


ようやく、今年のスケジュール帳が届きました。

日本に住んでいたころ、毎年新年になると夫が取り引き先の会社からスケジュール帳をいただいていました。背表紙にはその会社の名前が刻印されていて、最後のほうのページには企業理念や行動基準のようなことが書いてあります。夫は、自分は使わないからといって、毎年それを私にくれるのだけれど、私にはスケジュール帳に書き込まないと覚えていられないような予定はほとんどなかったので、いつもどこかにしまったままになっていました。

ある時、ふと思ったのです。スケジュール帳という名前だから予定を書き込むものという固定観念があるけれど、予定じゃなくてその日にあったことを書き込んだらどうだろうと。時間割になっている部分には何時に何をしたと書き込み、メモ欄にはその日の体調や思ったことなどをちょこっと書いておきます。日記を書くとなると気張ってしまって何を書いていいのかわからないことが多く、私は日記が長続きした試しがありません。でもスケジュール帳にその日の出来事を書き込むだけなら簡単だし、そうして一日の出来事を振り返っているうちに、ああ、今日はこんなことを思ったんだっけ、と思い出したりします。それに、種蒔きをした日やお漬物を仕込んだ日のようにうっかり忘れてしまった日付を、後になって調べるのにも役立ちます。


こうして、数年前からスケジュール帳を愛用するようになったのだけれど、アメリカではそれまで使っていたようなスケジュール帳がなかなか見つかりませんでした。そこでいろいろ調べているうちに、先ほどの会社からいただいたスケジュール帳と同じブランドの別タイプ(といってもわずかな違い)のものがアメリカのアマゾンでも買えることが分かり、去年に引き続き、今年も同じものを購入しました。

商品が届き、スケジュール帳を開いてみると、背表紙の内側のカバーの中に名刺ほどの大きさの紙が入っていました。そこに書かれていたのは、

自分で自分を小さくしない。

いつもなら、行かない所へ。

いつもなら、会わない人と。

いつもなら、やらないことを。

はじめての何かに出会うたび

新しい自分が顔を出す。

意外と楽しい、意外と似合う。

自分らしさなんて、上書きすればいい。

あれれ、この前、わたし、そんなこと書きませんでしたっけ?




2024年1月6日土曜日

新年

 2024年が始まりました。今年はどんな一年になるのでしょうか。したいこと、しなければならないことは沢山ありますが、何事も無理せずにマイペースで進めていこうと思います。でも思うのは、安全地帯にいてはダメだということ。こんな風に毎日、家族以外には誰にも会わず、同じような仕事を繰り返し、残りの時間は好きなことをのらりくらりとしていると、本当に脳が退化するばかり。時には困ったり、焦ったり、気疲れするような立場に自分を置かないと、適応能力がどんどん失われていく気がします。何か行動しないといけません。今年の課題はそんなところから

さて、お正月はちっともそれらしくなかったのだけれど、元日だけはお雑煮を食べました。というのも、大晦日にとうとう袋栽培の青首大根を収穫したのです。あまり太くならなかったけれど、長さは十分あり、ひげ根も少ないきれいな大根でした。大根の部分の長さを計ったら37㎝もありました。というわけで、この大根をお雑煮にいれて、畑から採ってきた水菜も茹でて彩としてお雑煮に添えました。

お餅は自家製です。前におはぎを作ろうと思って買っておいたもち米があったので、蒸したもち米をのし棒でつけばお餅になるんじゃないかと思って、大きめのボウルやのし棒を用意したのだけれど、ふと、ホームベーカリーの捏ね機能は使えないだろうかと思って調べてみると、餅機能がついていないホームベーカリーでもお餅が作れると書いてあります。そこで恐る恐る試してみることに。お餅が重すぎてモーターが壊れたりしたら困るなぁと思いながらも。そしておこわを捏ねること20分、ちゃんとお餅になりました。それをビニール袋にいれて平らにして冷蔵庫で一晩おいたら堅いお餅になっていたので、切って角餅に。端の方は形の悪いものもあるけれど、家庭用だから別にかまいません。こんなに簡単にお餅が作れるのなら、お正月じゃなくても作ろうっと。こちらでお餅を買えば高いから。(お雑煮の写真は撮り忘れました)

 大根の葉も立派だったので、こちらはすぐに刻んで味噌炒めにして、後日おやきの具になりました。青菜のおやきはやっぱり美味しいなぁ。

そんなこんなでお正月はあっという間に過ぎてしまい、通常通りの毎日がやってきました。

12月は好きな季節です。日本に住んでいた頃、この季節に図書館まで歩いていくのが好きだったなぁ。空は青く、空気がパリッとしていて、背中に日が当たってポカポカと暖かく。今年は日本に行けるといいけれど。