2022年9月29日木曜日

黒千石収穫


9月もそろそろ終わり。夕焼けがきれいな季節になりました。

黒千石(小粒黒豆)の収穫時期は11月ごろと栽培方法には書いてあったのに、我が家の株は9月上旬には黒くカサカサに乾燥し始めて、もしや枯れたのでは...と心配していましたが、しばらくするとサヤから豆がはぜて土の上に落ちるようになりました。豆は多少シワシワしたものもあるけれど、食料用の市販品と同じような見た目だったので、カラカラに乾燥したサヤから順次収穫を始めました。採れたものは紙袋に入れて物置小屋に置き、先週ようやくすべてのサヤを収穫し終えました。

リンゴの木陰になったウッドデッキに新聞紙を広げて、豆をひとつひとつサヤから出していきます。まん丸で艶々した完璧なものもあれば、シワシワで小石のような食べられるのかどうか怪しいものもあります。二日に分けて作業をして、すべて終わるまでに4時間ぐらいかかりました。

オンラインで購入した黒千石1㎏の価格(アメリカでは同じ商品が日本の価格の2倍)は、私がフリーランスで仕事をするときに設定している時給よりほんの少し安い程度だったので、コストパフォーマンスという点では買ったほうが断然いいことになります。1時間仕事をして、残りの3時間でドラマが3話も見られます!

でも、気持ちのいい秋風の吹く庭先で、他愛もないことを考えながら、ひたすらサヤを割るのも贅沢な時間だなと思ったのでした。シワひとつないまん丸なお豆が出てきたときの喜びや、お隣のパイロマニア(火遊び好きな人、絶対そう)がフェンスの向こうで焚火をしている匂い(そちらも二日続けて)... こういうのんびりした時間もいいものです。

夏の初めに9株植えて、今回収穫した量は、280gでした。コスパがさらに悪いことが判明。

この小粒黒豆は納豆にしたいのだけれど、市販品で3回ほど挑戦して、まだ一度も成功していません。皮が硬すぎるのか、ほんの少ししか粘らないのです。味は納豆なんだけど。何粒かは来年の種用にとっておいて、残りはお米と一緒に炊いたり、お正月の黒豆の煮物にしようかな。


2022年9月23日金曜日

ハングル講座終了

 去年のちょうど今頃は、横浜の借家を後にして、渡米までの1週間ほどホテル住まいをしていました。あれからもう1年が過ぎてしまったとは…

先日、行きつけのスーパーのレジで支払いをしていると、買ったものを袋に詰めてくれていた若いアジア(フィリピン?)系の店員さんに、「スミマセン、ニホンジンデスカ?」と話しかけられました。なぜ私が日本人だと分かったのかは、おそらく一緒にいた夫が「Yokohama」という文字の入ったベイスターズのTシャツを着ていたからだろうと思います。ちょっと立ち話をすると、その若い店員さんは大学で日本語を勉強しているとのこと。かなり上手な日本語を話し、私の言うこともほぼ完全に理解しています。そんなに上手なのに、日本語を話す機会があまりないと言っていました。カジュアルな話し方だから大学で習ったというより、アニメや漫画で覚えたんじゃないのかなという印象を受けました。私みたいなオバサンにも話しかけたくなっちゃうほど、日本語が話したかったのかもしれません。

でも、わかるなぁ、その気持ち。

私はまた今年も4月からNHKラジオでハングル講座を聴講していました。過去形なのは、今日が最終日だったからです。去年の一年目もちょうど今頃が最終放送で、引っ越しやホテル住まいの最中になんとか最後まで聞いたことを覚えています。こちらに来てからは聞けないと思っていたのだけれど、ちょっと裏ワザを使って聴講しています。テキストは電子書籍で購入して。

 

最初は「アンニョンハセヨ」と「カムサハムニダ」ぐらいしか知らず、ハングル文字もまったく読めなかったことを考えたら、多少はいろいろ分かるようになりましたが、実際に韓国の人と話す機会はほとんどありません。ところが先日、ようやくその機会に恵まれたのです。

先日、息子とお付き合いしてくれているSちゃんの就職祝いに、Sちゃんの行きつけのお寿司屋さんに出かけたのだけれど、そこは韓国人のご夫婦が経営しているお店で、Sちゃんは常連さんだから奥様が私たちのテーブルにご挨拶に来てくださったのです。私は、このチャンスを逃してはいけない、と意気込んで、「アンニョンハセヨ」と言ってみたのでした。すると奥様は少し驚いた様子だったので、「チョヌン ハングゴ コンブハゴ イッソヨ(私は韓国語を勉強しています)」とテキストにあった文章をそのまま続けました。でも、そこまでが限界で、奥様に何か聞かれたのだけれどよく分からず、会話は英語になってしまいました。でも、ドラマがなんとかと訊かれたので、あ、これはテキストにあった!と「トゥラマルル ポゴシポソヨ(ドラマが見たいからです)」と答え、お料理はどうですか?と英語で聞かれたのに「ノム マシッソヨ(とても美味しいです)」と調子に乗っていってみたり、帰りがけには「チャル モゴッソヨ(よくいただきました=ごちそうさまでした)」とご主人にも声をかけてホクホクしながら帰ってきました。本当に簡単な言葉だけだったのだけれど、通じたことがとてもうれしかったのです。だから、スーパーの店員さんの気持ちもよくわかるのです。

そういえば、韓国語とは関係ないけれど、そのお寿司屋さんの店員さんが日本人の女性で、ご本人は東京出身とのことだったのだけれど、お父様が長野県出身だといい、場所を訊いたら、私の実家のある町内で、お祖父さまは地元の中学校の先生だったとか。どうも私が通っていた頃にいらした先生のようです。思い出せないけれど、こんど同級生に訊いてみることにします。でもアメリカのこんな場所で、あんな田舎町の話をすることがあるなんて

 

2022年9月9日金曜日

蔵出し

3月に仕込んだお味噌を蔵出ししました。

知人に1㎏もの米麹をいただいて、ちょうど家に大豆があったのでお味噌づくりに初挑戦してみました。ネットでいろいろなレシピを見ていたら、密封式ビニール袋で作るのが簡単だと書いてあり、試してみたら本当に簡単でした。指でつぶれるくらいの柔らかさに大豆を煮て、塩切りした麹(麹と塩を手ですり合わせる)を潰した大豆と少量の煮汁に混ぜてビニール袋に詰めて、冷暗所で6ヵ月熟成させるだけです。

冷暗所といっても、そのままビニール袋を戸棚の奥にしまっておくのもどうかと思い、100均で買ったと思しきプラスチック容器に入れて熟成させました。これが私の「蔵」 です。

最初のころは嬉しくて週に一回ぐらい蓋を開けては裏返しにしたりしていたのだけれど、そのうちすっかり忘れてしまって、戸棚の奥の方にしまったままになっていました。ある日思い出して蓋を開けてみると、ん?この懐かしい匂いは...

幼馴染のK子の家の本物の「蔵」の匂いがしました。

K子とは4歳ぐらいの頃からの友達で、子供の頃にしょうちゅう家に遊びに行っていたのだけれど、昔ながらの旧家で、大きな蔵がありました。遊びに行ってその蔵の中に入るなんてことは滅多になかったものの、何かの用事でK子と一緒に蔵の中に入ったときに、不思議な匂いがしたことをずっと覚えていました。

あれはお味噌の匂いだったんですね。

そして、蔵の中と同じ匂いがするということは、私のお味噌もきちんと熟成しているということ... 途中で袋を開けて味見をすると中に空気が入って、せっかくうまくいっているお味噌が傷んでしまうんじゃないかと思い、味見を我慢してようやく6ヵ月がたちました。


見た目はお味噌です。


味もお味噌です。

少し塩分が多すぎたかな、と思って市販の合わせ味噌と食べ比べてみたら、市販のお味噌の方がしょっぱかった。(左が自家製)

ちょっと自慢しちゃうと、自家製の方がほんの少し麹の甘さが感じられて美味しい気がします。(これが本当の手前味噌、ぷぷぷ)

待ち時間は長いけれど、こんなに簡単にお味噌が作れるのなら、また作ってみようと思います。

麹をくれた知人は今年、なんと、そら豆でトウバンジャンを手作りして、おすそ分けしてくれました。


市販のものよりずっとコクがあって美味しいトウバンジャンです。


2022年9月6日火曜日

サツマイモの花

 気が付けば、もう9月...

アメリカは9月の第一月曜日がLabor Dayという祝日で、非公式にこの日が夏の終わりと見なされています。学校の夏休みが終わるのは州や行政区によってさまざまですが、私の住む地域では昔からこのLabor Dayの翌日に学校が始まります。今朝、いつも通りに近所を走っていたら、数カ月ぶりに黄色いスクールバスを何台も見かけて、あー、夏も終わったと実感しました。

夏の終わりと言えば、我が家の菜園もそろそろ夏野菜は終わりです。今年はトマトが不作でほとんど収穫できなかったので早くに抜いてしまいました。キュウリは一時は一日に5,6本も採れることがあったのに、急に元気がなくなってあっという間に枯れてしまいました。今年は病気や害虫除けに効果のあるコンパニオンプランツを意識して植えたのに、何がいけなかったんだろう。

豊作だったのはオクラとシシトウと花ニラ。青じそは例年の如くジャングルになっています。これももう花芽が出てきたので、種になる前に葉を摘み取って塩漬けにします。青じそジャングルの中にはこんなの(↓)もいて、オソロシイ...


今年は初めて栽培する、モロヘイヤ、ミニゴボウ、小粒黒豆(黒千石)、サツマイモにも挑戦しました。

ミニゴボウはミニと言っても50㎝ぐらいの長さになるそうで、地植えではそこまで深く掘れないだろうし、深いプランターや鉢もないので、市販の土の袋に腐葉土や肥料や石灰を混ぜた栽培土を入れたところに種をまきました。根の直径が1-2㎝になったら収穫できるそうなので、もうすぐです。ゴボウはなかなか売っていないから、きちんと育っているといいな。

小粒黒豆は、納豆用の小粒大豆を探していたときにアマゾンで見つけて買ってみたものの幾つかを種として蒔いてみたら、5割ぐらいが発芽しました。栽培が難しい貴重な品種と書いてあったので、種として売っていたものじゃないし、育たなくても仕方ないかと思いながら様子を見ていたら、紫色の小さなかわいらしい花がたくさん咲いて、 びっしりとサヤがつきました。ところがここにきて、ウサギに葉っぱをかじられてしまった株が、光合成ができなくなったからなのか、サヤが黒く変色してしまったのです。サヤの中身は一応黒豆になってはいるけれど、元気な株のサヤはまだ青々としているから、枯れているのかもしれません。またしても、ウサギ...


 

サツマイモも、スーパーでJapanese Sweet Potatoとして売られていたサツマイモを長らく放置していたら芽が出てきてしまったので、その芽を水耕栽培して根を出させたものを植えました。本命の2株は袋栽培で、残りの短い苗は菜園の空いてあいた場所に植えたのだけれど、本命はちっとも成長していないのに、菜園に植えたものは箱の外にまでツルを伸ばして、なんと花まで咲いてしまいました。

 

サツマイモの花が咲くのは、いくつかの条件に一致しない限り見られない珍しい現象なのだそうです。日照時間が短くなってもまだ気温が高い場合や何者かにお芋をかじられてしまった場合がそれに相当するそうで、今年は9月に入っても毎日30℃以上の気温が続いているから前者も当てはまるのだけれど、なんだか後者じゃないかという漠然とした不安もあります。葉やツルばかりが伸びるツルボケ気味でもあるから、お芋が成長していないのかも...

あー、野菜作りは難しいし、奥が深い。スーパーで売られているきれいな野菜ができるまでに、いったいどれだけの苦労があるのかと思うと、農業に携わる方々に感謝せずにはいられませんね。

次は秋冬野菜です。