2023年8月31日木曜日

コロナ罹患中

 嗚呼、とうとうコロナに感染してしまいました。

思いのほか症状は重く、10日経った今日も咳が止まらず、息苦しさもあり、味覚と嗅覚は失われたままです。いつかは治るのでしょうけれど、なんだかいろいろと虚しいです。

コロナ療養中のしわ寄せが来て、家事も仕事も大忙しになってしまいました。しばらくは仕事以外のデジタル活動(ブログ、メール、メッセージ、SNS等)をお休みします。落ち着きましたら、また再開いたします。


2023年8月18日金曜日

ブドウ初収穫

ブドウを初めて収穫しました。

5年前の春頃にコンコードという品種のブドウの苗を買ったのだけれど、忙しくしていて定植できずにいたら、その秋に夫の転勤で日本に引っ越すことになり、ブドウの苗も袋入りのまま物置の横に置き去りにして日本に発ったのでした。私は日米間を行き来する予定だったから、戻ってきたら植えればいいと思っていたのです。ところが翌年にこの家に戻ってきても私はその苗を放置していて、見かねた息子が私の留守中に庭の隅に植えてくれました。それからコロナ禍に突入して私はアメリカに戻れなくなり、ブドウの木も枝が四方八方に伸びて収拾がつかなくなっていたそうなのだけれど、実は一応付いたそうなのです。ただ最後まで房として残るものはなく、粒が雨で落ちてしまったり、鳥や虫に食べられたりして、個々の粒を数個採るのが精いっぱいだったといいます。

昨年は枝を大幅に剪定してしまったので、DIYで作ったブドウ棚に枝を渡すことができず、少しだけ実ったブドウもやはり雨と害虫にやられて全く収穫できませんでした。

今年は一房でいいからブドウらしいブドウを収穫することを目指して、枝渡しや摘果作業をし、見込みのある房にはメッシュの袋をかけて、雨除けの傘(パーチメントペーパーをホチキスで留めた自作品)もかけました。摘果の目的は栄養が分散されないように房の数を減らすというということなのだけれど、なんだかもったいなくてかなりの房を残してしまったので、一房がやはり貧弱な感じになってしまいました。来年の課題です。

真夏にはコガネムシがブドウの葉にびっしりと付いて、葉を食べ尽くし、葉脈だけが残ったレース状の無残な姿になってしまいます。アメリカにはコガネムシの天敵がいないそうで、農薬を使わない場合は、石鹸水を入れたバケツに手作業でコガネムシを落としていくのが一番有効な方法だといいます。フェロモントラップもあるけれど、逆にコガネムシを呼び寄せてしまうこともあるのだとか。だから私はバケツを手に完全防備でコガネムシ獲りに挑んだのです。でもね、コガネムシといえども生き物、申し訳ないような、自分がとてつもなく残酷なことをしているような、複雑な気持ちになりました。

ブドウを完全無農薬で育てるというのはかなり難しいことだといいます。日本のブドウ農家は袋掛けをしてブドウを守るけれど、その前に農薬をかけないとブドウが袋の中で腐ってしまうそうです。 カビの一種が原因のさび病にも消毒は必須だといいます。実際に自分で栽培してみても、市場に出回るようなきれいなブドウを無農薬で栽培するのはほぼ無理だろうと思います。ということは、うちで収穫できたこのブドウ、とっても貴重なものなんじゃないかという気がしてきました。

さて、肝心のお味は?

甘い!香りがいい! 日本のブドウみたいだー。

コンコードはスリップスキンといって日本のブドウのようにつるっと実が出るタイプで、フォックス臭という香りがあります。これが私にとってはブドウの香りなんだなぁ。子供の頃、幼馴染のお家がブドウ農家で、形が悪くて出荷できないブドウをよくもらっていたのだけれど、そのなかのひとつにナイアガラという品種がありました。それにコンコードと同じ香りがあるのです。ナイアガラはコンコードの交配種だと後で知りましたが、私にとっては本当に懐かしい香りです。

まだ完熟していない房がいくつかあるので、ブドウはまだもう少し楽しめそうです。



 

2023年8月13日日曜日

サルスベリ満開

 

先週末、またいつもの植物園に行ってきました。前回は紫陽花の頃でしたが、今回のお目当てはサルスベリです。

私の住む地域は夏になると至る所でサルスベリが咲きます。幹線道路の街路樹はほとんどがサルスベリで、7月ぐらいから街全体が急に華やかに色付きます。日本で春に桜が至る所に咲くのと似ていますが、桜は2週間ぐらいで散ってしまうけれど、サルスベリは漢字で百日紅と書くように夏の終わりまでずっと咲き続けます。 

前回植物園に行った時にそのサルスベリの木がたくさんあることに気付いて、花が咲いたら絶対に行こうと思っていたのでした。




 
 花色はピンクが主流でしたが、それにも濃いものから淡いものまでいろいろあり、他にも白、紫、真紅などの様々な色の花が咲いていました。日本で見るサルスベリは花の付き方がもう少し控えめだったような気がするのだけれど、品種が違うのか、気候のせいなのか、ここのサルスベリは毎年華々しく咲きます。



Japanese Garden(日本庭園とは呼び難い)では一見作り物のような蓮の花が咲いていました。




 森になかにはあちこちに面白いバードハウスが設置されていました。

いつもは誰も常駐していない「菜園」では、たまたまその日にマスター・ガーデナーさんが 訪問者の質問に答えてくれるというイベントが開催されていたようなのだけれど、私はそれを知らずにいつものようにふらりと菜園に寄ったら、誰も来てくれない菜園で暇を持て余していたと思しきマスターガーデナーのおじさんがすぐに声をかけてきて、そこで栽培しているいろいろな野菜について説明してくれました。「ツルムラサキ」が植えてあって「ほお」と思ったら、おじさんは「これはまさかと思うでしょうけれど、ホウレンソウの仲間なんですよ」と得意げに言います。「私も栽培していますよ」とはなんだか言い難く、「日本で食べたことがあります。ちょっとオクラみたいにネバネバしているんですよね」と私が言うと、おじさんは怪訝な顔をして、ネバネバしてはいないと言います。まさかと思い「どうやって食べるんですか?」と聞いたら、案の定、生で食べるとのこと。うへー。まぁ、アメリカ人はホウレンソウも生で食べるからね。

他にもスィートポテトやピーナッツの袋栽培について教わったり(ちょうど私もサツマイモの袋栽培をしているので)、土づくりや肥料のことも教えてもらいました。帰りがけに白いナスを見かけて、「このナスは白いけど、日本のナスに形が似ている」と私が言ったら、おじさんはその場でひとつ株から切りとって私に手渡してくれました。わーい、白いナスは初めて。

おじさんは時々ボランティアで菜園の管理をしているというので、次に行った時も寄ってみようと思ったのでした。8月下旬ごろから秋冬野菜の栽培が始まるそうです。



 

2023年8月7日月曜日

ニューヨークへ

 

先週の2泊3日の旅行先はニューヨークでした。なーんだ、という感じですが、まあまあ…

娘は本来ならば先週と今週はカリブ海のどこぞでお友達の結婚式に参加するはずだったのだけれど、その結婚式がキャンセルになってしまったのだとか。そこでニューヨークまでのフライトはそのままキープすることにして、ニューヨークで数日を過ごしてから、カリブ海までのフライトをシカゴ行きに変更して、今週はシカゴでハイスクール時代のお友達と過ごすことにしたそうなんです。娘はニューヨークには今年の5月にも行っていて、ニューヨークの友人知人にはその時に会っているから今回は独りの時間を過ごしたいと言っていたので、「じゃ、私も一緒に…」と私が押しかけて行ったのでした。独りの時間、と言っているのにね。娘からすると、私はいてもいなくても、まぁ、空気みたいな人だからいいのだそうです。だから私はその3日間、娘が立てた日程に従って、背後霊のように娘の後をついてまわったのでした。

今回の娘のミッションのひとつは、毎朝ベーグルを食べることでした。ハワイにもベーグルはあるけれど、ニューヨークのベーグルの比ではないんだそうです。というわけで、初日の朝10時ごろに娘の泊まっていたホテルに到着すると、さっそく地下鉄に乗ってどこぞのベーグル屋さんに出かけました。翌朝、翌々朝に行ったお店もそれぞれに人気のベーグル屋さんだったようで、どのお店にも長蛇の列ができていました。私はオーソドックスにLox(スモークサーモン)とクリームチーズやブルーベリーのベーグルにブルーベリーのクリームチーズなどを注文し、娘はパストラミや卵など、かなり重い具材を選んでいました。どのお店もクリームチーズの量が半端なく、最後のお店では「クリームチーズ少な目」と注文することに。でも、ベーグルはもちもちした食感で、この辺りのスーパーのベーカリーで買うのとは違うな、と思いました。それにしても、どのお店にも観光客とは違うニューヨークのヒップスターな若者がたくさんいて、糖質制限なんてどこ吹く風という感じでしたよ。

 

今回は美術館巡りの旅だったのですが、MoMAやメトロポリタンやグッゲンハイムといった有名どころではなく、クィーンズ区のはずれにあるイサム・ノグチ美術館とアップステート・ニューヨークの街、ビーコン(Beacon)にあるDia:Baeconという近代美術館に行ってきました。3日目はマンハッタンにあるホイットニー美術館(Whitney museum)に行く予定だったのだけれど、なんと火曜日は休館日でした。前回も確か休館日だったような。

イサム・ノグチ美術館は、娘が前々から行きたいと言っていたのだけれど、近くに住んでいた時には行かず仕舞いで、今回初めての訪問でした。私もイサム・ノグチという名前と彫刻家であることや有名なコーヒーテーブル(娘がレプリカを持っているので)のことぐらいしか知らなかったのだけれど、この旅行の前に図書館のアプリでたまたま彼のドキュメンタリー映画を目にして、予習にと見てみました。イサム・ノグチ本人が自身のことや作品などについて語っています。ブランクージ(シュッとした羽のようなオブジェで有名な)のスタジオで下働きのようなことをしていて、 多大な影響を受けたことや、イタリアではミケランジェロが切り出していた大理石と同じ場所の大理石を使っていたことなど、なかなか興味深い映画でした。美術館ではガイド付きのツアーがあって、ドキュメンタリーの内容よりさらに深い説明が聞けました。芸術はそれを見て個人が何を感じるかが一番大切なことだと思うのだけれど、ただの石(の彫刻)にしか見えないものも、その背景やアーティストの人柄などを知っているのと知らないのとでは、感じ方に大きな違いが生まれるように思いました。



 
 


2日目は、グランドセントラル駅から電車に乗って一時間半ほどの小さな街にあるDia:Beaconという近代美術館に。マンハッタンの街並みを通り過ぎると、電車はずっとハドソン川沿いを北上して、川と対岸の緑の丘しか見えない美しい景色が続きます。駅から歩いて数分の場所にある美術館は、もともとはナビスコの印刷工場だった建物を改築して美術館にしたのだそうです。室内は広々として、ちょっと体育館のような感じでもありました。そこに数々の近代美術作品が展示されていました。体育館のような場所だからなのかもしれないけれど、大型の作品が多かったように思います。近代美術も「ふーん」という作品から、面白いと思える作品までいろいろですね。

 
           

私は美術館よりBeaconという街が気に入りました。道を歩いていたら、民家の庭に野生の鹿がいて、私たちが近くを通っても一向にお構いなし。小さな本屋さんにはおそらく店主さんが選んだ本が置いてあったんじゃないかと思うのだけれど、そのセレクションが絶妙でした。その近くには公立図書館もあって、遠くには山も見えるし、私はきっとここに住める、と思ったのでした。


今回は食の旅でもあったはずなのだけれど、なにしろ朝にボリューム満点のベーグルを食べるので、お昼になってもまったくお腹が空かないのです。だから3日間ランチはなし。初日の夕ご飯は生牡蠣。これも娘がニューヨークで食べたかったもののひとつです。シェフのおススメ3種類の生牡蠣12個。普段あまり生牡蠣を食べないから知らなかったけれど、牡蠣は種類によって結構味が違うんですね。どの種類か忘れちゃったけれど、後味が甘くて美味しいものがありました。


2日目は遠出から戻ってきて疲れていたので、地中海料理をテイクアウトして、ホテルの屋上で食べました。ここは週末はルーフトップ・バーなのだけれど、平日の夜は誰もいなくて、この夜景を独り占め。ライトアップされたエンパイアーステート・ビルディングが目の前にそびえたっています。どこのレストランよりも贅沢な感じでした。

3日目はホイットニー美術館に行く予定だったのだけれど、残念ながら休館日だったので、美術館の横から続くハイラインという遊歩道を歩くことに。元々は電車が通っていた高架を遊歩道にしたもので、草木や花が植えられていて、観光名所でもあり、市民の憩いの場でもあるということです。


 

 行きついた先はVessel(ヴェッセル)というNYの新しい観光名所。以前に来たときよりも周りにいろいろな建物が増えたような気がします。ここで少しショッピングセンターを覗いてホテルに戻りました。

私のフライトは夜8時ごろだったので、6時ぐらいにラガーディア空港に向かいました。娘はお友達と食事に。ホテルを出て、「じゃぁ、またね」という感じで娘と別れました。空気さながら。

ラガーディア空港から飛び立った飛行機は、テニスの全米オープンの会場とアーサー・アッシュ・スタジアムの上空を旋回してニューヨークを後にしました。

(対岸はニュージャージー)