先週の2泊3日の旅行先はニューヨークでした。なーんだ、という感じですが、まあまあ…
娘は本来ならば先週と今週はカリブ海のどこぞでお友達の結婚式に参加するはずだったのだけれど、その結婚式がキャンセルになってしまったのだとか。そこでニューヨークまでのフライトはそのままキープすることにして、ニューヨークで数日を過ごしてから、カリブ海までのフライトをシカゴ行きに変更して、今週はシカゴでハイスクール時代のお友達と過ごすことにしたそうなんです。娘はニューヨークには今年の5月にも行っていて、ニューヨークの友人知人にはその時に会っているから今回は独りの時間を過ごしたいと言っていたので、「じゃ、私も一緒に…」と私が押しかけて行ったのでした。独りの時間、と言っているのにね。娘からすると、私はいてもいなくても、まぁ、空気みたいな人だからいいのだそうです。だから私はその3日間、娘が立てた日程に従って、背後霊のように娘の後をついてまわったのでした。
今回の娘のミッションのひとつは、毎朝ベーグルを食べることでした。ハワイにもベーグルはあるけれど、ニューヨークのベーグルの比ではないんだそうです。というわけで、初日の朝10時ごろに娘の泊まっていたホテルに到着すると、さっそく地下鉄に乗ってどこぞのベーグル屋さんに出かけました。翌朝、翌々朝に行ったお店もそれぞれに人気のベーグル屋さんだったようで、どのお店にも長蛇の列ができていました。私はオーソドックスにLox(スモークサーモン)とクリームチーズやブルーベリーのベーグルにブルーベリーのクリームチーズなどを注文し、娘はパストラミや卵など、かなり重い具材を選んでいました。どのお店もクリームチーズの量が半端なく、最後のお店では「クリームチーズ少な目」と注文することに。でも、ベーグルはもちもちした食感で、この辺りのスーパーのベーカリーで買うのとは違うな、と思いました。それにしても、どのお店にも観光客とは違うニューヨークのヒップスターな若者がたくさんいて、糖質制限なんてどこ吹く風という感じでしたよ。
今回は美術館巡りの旅だったのですが、MoMAやメトロポリタンやグッゲンハイムといった有名どころではなく、クィーンズ区のはずれにあるイサム・ノグチ美術館とアップステート・ニューヨークの街、ビーコン(Beacon)にあるDia:Baeconという近代美術館に行ってきました。3日目はマンハッタンにあるホイットニー美術館(Whitney museum)に行く予定だったのだけれど、なんと火曜日は休館日でした。前回も確か休館日だったような。
イサム・ノグチ美術館は、娘が前々から行きたいと言っていたのだけれど、近くに住んでいた時には行かず仕舞いで、今回初めての訪問でした。私もイサム・ノグチという名前と彫刻家であることや有名なコーヒーテーブル(娘がレプリカを持っているので)のことぐらいしか知らなかったのだけれど、この旅行の前に図書館のアプリでたまたま彼のドキュメンタリー映画を目にして、予習にと見てみました。イサム・ノグチ本人が自身のことや作品などについて語っています。ブランクージ(シュッとした羽のようなオブジェで有名な)のスタジオで下働きのようなことをしていて、 多大な影響を受けたことや、イタリアではミケランジェロが切り出していた大理石と同じ場所の大理石を使っていたことなど、なかなか興味深い映画でした。美術館ではガイド付きのツアーがあって、ドキュメンタリーの内容よりさらに深い説明が聞けました。芸術はそれを見て個人が何を感じるかが一番大切なことだと思うのだけれど、ただの石(の彫刻)にしか見えないものも、その背景やアーティストの人柄などを知っているのと知らないのとでは、感じ方に大きな違いが生まれるように思いました。
2日目は、グランドセントラル駅から電車に乗って一時間半ほどの小さな街にあるDia:Beaconという近代美術館に。マンハッタンの街並みを通り過ぎると、電車はずっとハドソン川沿いを北上して、川と対岸の緑の丘しか見えない美しい景色が続きます。駅から歩いて数分の場所にある美術館は、もともとはナビスコの印刷工場だった建物を改築して美術館にしたのだそうです。室内は広々として、ちょっと体育館のような感じでもありました。そこに数々の近代美術作品が展示されていました。体育館のような場所だからなのかもしれないけれど、大型の作品が多かったように思います。近代美術も「ふーん」という作品から、面白いと思える作品までいろいろですね。
私は美術館よりBeaconという街が気に入りました。道を歩いていたら、民家の庭に野生の鹿がいて、私たちが近くを通っても一向にお構いなし。小さな本屋さんにはおそらく店主さんが選んだ本が置いてあったんじゃないかと思うのだけれど、そのセレクションが絶妙でした。その近くには公立図書館もあって、遠くには山も見えるし、私はきっとここに住める、と思ったのでした。
今回は食の旅でもあったはずなのだけれど、なにしろ朝にボリューム満点のベーグルを食べるので、お昼になってもまったくお腹が空かないのです。だから3日間ランチはなし。初日の夕ご飯は生牡蠣。これも娘がニューヨークで食べたかったもののひとつです。シェフのおススメ3種類の生牡蠣12個。普段あまり生牡蠣を食べないから知らなかったけれど、牡蠣は種類によって結構味が違うんですね。どの種類か忘れちゃったけれど、後味が甘くて美味しいものがありました。
2日目は遠出から戻ってきて疲れていたので、地中海料理をテイクアウトして、ホテルの屋上で食べました。ここは週末はルーフトップ・バーなのだけれど、平日の夜は誰もいなくて、この夜景を独り占め。ライトアップされたエンパイアーステート・ビルディングが目の前にそびえたっています。どこのレストランよりも贅沢な感じでした。
3日目はホイットニー美術館に行く予定だったのだけれど、残念ながら休館日だったので、美術館の横から続くハイラインという遊歩道を歩くことに。元々は電車が通っていた高架を遊歩道にしたもので、草木や花が植えられていて、観光名所でもあり、市民の憩いの場でもあるということです。
行きついた先はVessel(ヴェッセル)というNYの新しい観光名所。以前に来たときよりも周りにいろいろな建物が増えたような気がします。ここで少しショッピングセンターを覗いてホテルに戻りました。
私のフライトは夜8時ごろだったので、6時ぐらいにラガーディア空港に向かいました。娘はお友達と食事に。ホテルを出て、「じゃぁ、またね」という感じで娘と別れました。空気さながら。
ラガーディア空港から飛び立った飛行機は、テニスの全米オープンの会場とアーサー・アッシュ・スタジアムの上空を旋回してニューヨークを後にしました。
娘さんとのNY旅を楽しんで来られたのですね。そうそう、大人になった娘とのふたり旅は楽ですね。私も今年は日本を満喫できました。経済的な負担もないだけに双方ともに十分楽しめた様な気がしています。
返信削除話は戻りNYは未だ行ったことがありません。それも主人が幼少期に暫くNYの親戚に預けられ、その時の経験と街の危険さがトラウマになっている様で何となく遠のいています。私は行きたいのだけど。
毎日の朝のベーグルとは頑張られましたね!すごい!
もちもちベーグルは大好きです。が!普通にパンを食べるよりベーグルそのものにカロリーが多いらしいのを聞き普段にはビビって食べられず。笑
Jさんの様に数日限定NYの朝ベーグルならこれも贅沢だとやってみたいです。
私がNYに行きたい理由のひとつが美術館巡りなのですよ。これは次女としか行けないだろうと思うので次女が大学を卒業した時にでもNY旅を企画したいとよく次女と話しています。
ビーコンの本屋さんが気になります〜。
ビーコンはグランドセントラルから1時間少しで行けるのですか。すると我が家から娘の家よりも近い...以外でした。
私もビーコンに住めそうな気がします。
娘との旅行はお互いに余計な気を遣わなくて済むから楽なんですよね。娘とは10年ぐらい前に1ヵ月のヨーロッパ貧乏旅行に行ったことがあるんです。私は日本から、娘はニューヨークから別々にロンドンに向かい、ブリュッセル、アムステルダム、フランクフルト、ウィーン、プラハ、ローマ、フィレンツェ、ニース、バルセロナ、マドリード、パリを駆け巡って、またロンドンに戻るという慌ただしい旅行でしたが、一生忘れることのない思い出になりました。1ヵ月も一緒に旅行して気疲れしないのは娘だったからでしょうね。
削除NYは2019年のテニスの全米オープンに行ったのが最後だったので4年ぶりでした。ニューヨークは80年代、90年代にはまだまだ危険な場所や怪しげな場所も多く、地下鉄に乗るのもちょっと怖かった覚えがありますが、今は治安もずいぶんよくなりました。相変わらず路上が汚かったり臭かったりする場所はありますが。
私もNYで行きたい場所は美術館です。あとは、メトロポリタンやグッゲンハイムなどのあるアッパー・イーストサイドの高級住宅地は雰囲気がよくて、散策するだけでも楽しく、「ライ麦畑でつかまえて」の世界だなぁと思ったり、Lower Manhattanのイーストヴィレッジあたりの住宅街を散策するのも好きです。古いビルを見るのも楽しいですよ。私は逆に西海岸の都市に行ったことがないんです。
ビーコンは最近よくあるお洒落なスモールタウンという感じでした。NYCまで電車で1時間半ぐらいというのも魅力的ですね。
Jさん、おかえりなさい! なんだかJさんらしい旅行だなって思ったよ。 MちゃんとJさんって”好きな物・事”が基本的に似てるんだろうね。母娘って、娘が大人になるとなんだか友達・親友みたいな関係になるよね。空気みたいな存在というのも気を遣わずに地で過ごせるってことだから そういう存在ってとても貴重だよね。
返信削除NYのベーグルは有名だよね。ちょっと前に 一年の80%ほど出張している2人の同僚と話す機会があって、その人達が ニュージャージーのベーグルは格別で、とにかく他で食べるベーグルとは比べ物にならないって力説してました。なんでも使う水が違うんだろうってことだったんだけど、その辺の水はベーグルづくりにあってるんだろうね。
泊まったホテルの屋上の夜景、絶景だね~。これはちょっとそこらのレストランで食べるよりずっと贅沢!でも近所のビルの窓が丸見えで中がみえるのもなんだかNYっぽいというか。。。サンフランシスコでも 住宅のほとんどが暗くなってもカーテンやブラインドを開けたままで 道路から中が丸見えなのがとても新鮮に感じました。
Beaconという街もとても自然豊かでいい感じでマンハッタンから近いとは驚き!