2023年8月18日金曜日

ブドウ初収穫

ブドウを初めて収穫しました。

5年前の春頃にコンコードという品種のブドウの苗を買ったのだけれど、忙しくしていて定植できずにいたら、その秋に夫の転勤で日本に引っ越すことになり、ブドウの苗も袋入りのまま物置の横に置き去りにして日本に発ったのでした。私は日米間を行き来する予定だったから、戻ってきたら植えればいいと思っていたのです。ところが翌年にこの家に戻ってきても私はその苗を放置していて、見かねた息子が私の留守中に庭の隅に植えてくれました。それからコロナ禍に突入して私はアメリカに戻れなくなり、ブドウの木も枝が四方八方に伸びて収拾がつかなくなっていたそうなのだけれど、実は一応付いたそうなのです。ただ最後まで房として残るものはなく、粒が雨で落ちてしまったり、鳥や虫に食べられたりして、個々の粒を数個採るのが精いっぱいだったといいます。

昨年は枝を大幅に剪定してしまったので、DIYで作ったブドウ棚に枝を渡すことができず、少しだけ実ったブドウもやはり雨と害虫にやられて全く収穫できませんでした。

今年は一房でいいからブドウらしいブドウを収穫することを目指して、枝渡しや摘果作業をし、見込みのある房にはメッシュの袋をかけて、雨除けの傘(パーチメントペーパーをホチキスで留めた自作品)もかけました。摘果の目的は栄養が分散されないように房の数を減らすというということなのだけれど、なんだかもったいなくてかなりの房を残してしまったので、一房がやはり貧弱な感じになってしまいました。来年の課題です。

真夏にはコガネムシがブドウの葉にびっしりと付いて、葉を食べ尽くし、葉脈だけが残ったレース状の無残な姿になってしまいます。アメリカにはコガネムシの天敵がいないそうで、農薬を使わない場合は、石鹸水を入れたバケツに手作業でコガネムシを落としていくのが一番有効な方法だといいます。フェロモントラップもあるけれど、逆にコガネムシを呼び寄せてしまうこともあるのだとか。だから私はバケツを手に完全防備でコガネムシ獲りに挑んだのです。でもね、コガネムシといえども生き物、申し訳ないような、自分がとてつもなく残酷なことをしているような、複雑な気持ちになりました。

ブドウを完全無農薬で育てるというのはかなり難しいことだといいます。日本のブドウ農家は袋掛けをしてブドウを守るけれど、その前に農薬をかけないとブドウが袋の中で腐ってしまうそうです。 カビの一種が原因のさび病にも消毒は必須だといいます。実際に自分で栽培してみても、市場に出回るようなきれいなブドウを無農薬で栽培するのはほぼ無理だろうと思います。ということは、うちで収穫できたこのブドウ、とっても貴重なものなんじゃないかという気がしてきました。

さて、肝心のお味は?

甘い!香りがいい! 日本のブドウみたいだー。

コンコードはスリップスキンといって日本のブドウのようにつるっと実が出るタイプで、フォックス臭という香りがあります。これが私にとってはブドウの香りなんだなぁ。子供の頃、幼馴染のお家がブドウ農家で、形が悪くて出荷できないブドウをよくもらっていたのだけれど、そのなかのひとつにナイアガラという品種がありました。それにコンコードと同じ香りがあるのです。ナイアガラはコンコードの交配種だと後で知りましたが、私にとっては本当に懐かしい香りです。

まだ完熟していない房がいくつかあるので、ブドウはまだもう少し楽しめそうです。



 

4 件のコメント:

  1. Jさん、ほんとにすごいね、ブドウまで栽培しちゃうんだ~!あっぱれです。
    Concordってよくグレープジュースやジャムに書かれてるよね。あの種類なのかな?
    自家栽培でできた野菜や果物は 新鮮なだけでなく 自分の時間や手間をかけてるから尚更美味しく感じるんだろうなあ。
    ここのお店で売っているブドウは種なしが多くて皮のまま食べるのが主流だけど、やっぱりかなりの農薬がかかってるんだろうね。 やっぱり皮をむかずに食べるものは せめてしっかり洗わないといけないのかも。 ベリー類と同じく ちょっと重曹をいれたたっぷりの水につけておいて洗うようにしようかな。 日本では今、シャインマスカットとかいう高級ぶどうもあるみたいだよね。 私は昔から巨峰の味と香りが好きです。わざわざ皮をむいて種を取る作業をしてでも食べたい! 小さいデラウェアの味も好き!
    よく考えると、ソーダにせよ、キャンディにせよ、ガムにせよ、チョイスがあれば グレープ味を選ぶことが多い気がします。

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    1. ブドウは手間暇かけないと収穫できないんだとわかりました。だから実際に食べられるブドウが採れて本当にうれしいなぁ。そうそう、コンコードはジュースやジャムに使われているブドウです。地域にもよるのかもしれないけれど、生食用としても9月10月あたりに季節限定でスーパーに出回りますよね。
      アメリカで一年中スーパーで売られているブドウ、あれは味気なくて本当に残念。私も巨峰やデラウェアのような昔ながらの風味のあるブドウが好きです。マスカットもシャインマスカットより昔ながらのマスカットのほうが好きかも。最近の日本のブドウは香りより甘さを重視した品種が増えているんだそうですよ。香りあってこそのブドウだと思うんだけど。

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  2. Jさん!何とブドウまで作られていたのですか!すごい!
    ぶどうって気がつくと柔らかくなっていたりして鮮度を保ちつつ流通させることって考えるとかなりの農薬が使われてそうですよね。
    Jさんのお手入れ法を読むと育てるのにかなりの神経を使いそうです。だからこそ収穫は嬉しいですね。
    毎日の成長を見ながら手入れして育てる、Jさんの忙しさが少し羨ましくも感じます。

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    1. ブドウは木を植えちゃったので、できることなら収穫したいと思って試行錯誤した結果、少しだけ収穫できました。ブドウに限らず、店頭で売られている野菜や果物は農家の方々の多大な苦労の結果なのだと思い知らされます。趣味で栽培する分にはキズや形なんて気にならないけれど、売り物となると完璧が求められるから、無農薬栽培というのは相当にハードルが高いのでしょうね。
      最近の農作業は収穫と水やりと虫を追い払うことぐらいしかないんですが、野菜が少しずつ大きくなったり色付いたりするのを毎日見られるのは楽しいです。

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