2023年4月21日金曜日

白鳥の湖とヘアカット

 

まだ4月だというのに、ここ数日は気温が30℃近くまで上がり、すっかり初夏の陽気です。桜が終わり、ツツジやハナミズキが一斉に咲き始めたと思ったら、あっという間に花の季節が終わってしまい、今はどこも緑でいっぱいです。我が家の裏庭にももうほとんど花はないのだけれど、唯一、西洋テマリカンボク(ビバーナム・スノーボール)が真っ白な花を咲かせています。

さて、先週末、フィラデルフィア・バレエの公演「白鳥の湖」に行ってきました。昨年のアメリカン・バレエ・シアターの「ドン・キホーテ」に続く2度目のバレエ鑑賞。地元の芸術振興団体のシーズン皮切りは毎年バレエ公演のようです。昨年は2階のバルコニー席だったのだけれど、今回は1階オーケストラ席のほぼ中央。ダンサーの表情まできちんとわかる、なかなか良い席でした。

「白鳥の湖」はやはりバレエの王道ですね。これまでは有名な踊り、例えば四羽の白鳥や黒鳥のヴァリエーションなどは、部分的に動画などで見たことがあったけれど、目の前で全幕を通してみると、やはりそのストーリー性や優雅さが何倍にもなって伝わってくるように感じました。フィラデルフィア・バレエには伊勢田由香さんという日本人のプリンシパル・ダンサーがいらして、今回はハンガリー王女(Hungarian Princess)の役にお名前が載っていました。

毎日毎日銃乱射だなんだと聞こえてくる世知辛い世の中でも、たまにこうして美しいものに触れると、心が洗われる気分になりますね。

そして翌日、髪を切りました。それもセルフカットで

日本からここに戻ってきて約1年半の間、私の髪は伸び放題でした。こちらに来る直前にある程度短くカットしては来たものの、あれから約20㎝は伸びているわけで、髪の量も多いから後ろで結ぶ以外にどうすることもできません。美容院に行けばいいじゃないと思われるかもしれませんが、ここはアメリカ。どんな悲惨な結果になることか。特に私のような多毛、剛毛、くせ毛の三拍子がそろった髪はなおさら。ニューヨークやLAのような大都会なら日本人の美容師さんもたくさんいるのでしょうが、ここは日本人も少ない田舎町です。

ある時、娘に電話をしたら、「今、自分で髪を切っているから、後でかけ直す」と言われ、後で送られてきた動画を見ると、ロングだった髪がミディアムぐらいに短くなって、レイヤーが入っていました。セルフカットとはわからないくらいに上手に切れています。髪質はずいぶん違うけれど、これなら私にもできるかもと思い、ハサミとすきバサミが入ったヘアカット用のキットをアマゾンで購入し、セルフカットのありとあらゆる動画を見て、いざセルフカットに挑んだのでした。

まぁ、初めてだから、肩ぐらいまでのボブにしてと髪を縦にブロック分けにして、同じ長さのところで全体を切ったのです。案の上、髪は真っすぐには切れなかったけれど、表面の髪だけ残して、中はすきバサミで大胆にすきました。表面の髪を下ろしてみると、あれれ、すいた髪がずいぶん短くなっていて、表面の髪の下に短い髪が透けて見えます。これはヘンだな、と表面の髪を中の長さに合わせて切ると、今度は市松人形の髪のように横に広がってしまいました。また中をすいて、長さを合わせようとすると、これがなかなかうまくいかず、髪はどんどん、どんどん、短くなっていきます。とうとう収拾がつかなくなって、ひゃー、どうしようということになった時に、「キル・スイッチ」を導入することにしました。最悪の場合、少量ずつ髪を拳で掴んで、トップに出た部分を切るという方法です。セイム・レイヤー(どこも同じ長さだからレイヤーになる)というのだそうですが、女性でもベリーショートとして街に出られる限界のカットということでした。

そうするべく、いざ、と髪を掴んだら、トップから出ている髪がずいぶん長いのです。セイムレイヤーということであれば、必ずしも拳の長さじゃなくてもいいんじゃない?と思い、まず、すべての髪を15㎝ぐらいで切ってみました。横と後ろはすでにかなり短くなっていたのでそのままにして、あとは表面以外をテキトーにすいて軽くしました。すると、わぉ、今どきのショートヘアの出来上がり。直毛じゃないから、毛先があちこちにカールしたり跳ねたりしているのもカットの欠点をかなりカバーしていると思うのだけれど、ひとまず外に出られる髪型になりました。やれやれ。かかった時間は6時間。

こんなに短くするつもりじゃなかったけれど、アメリカでショートにできたのは嬉しいな。うちの男衆、特に息子が私の髪型をからかわないということは、まずまず見られるということなのでしょう。日本にいた頃はずっとショートだったから、見慣れているということもあるだろうけれど。私のショートヘアを初めて見たSちゃんはかなり驚いて、「Jさんがショートにしたこと忘れていて、会うたびにびっくりしちゃいます」と今でも言っています。

4 件のコメント:

  1. アメリカでのショートカットおめでとうございます〜👏
    ほんと、アメリカでのヘアカットは悩ましいです。
    今回Jさんがセルフカットでショートにされたことはかなり躍進的だと思う!
    私も随分前ですが子供達が小さい頃はセルフカットをしていました。理由は時間とお金の節約が主でした。でも裾を少しずつ切って微妙に梳くぐらいで常にロング。帰省時にヘアカットをするのがどれだけ楽しみだったことか。
    娘の家の近くには日系サロンや日本人美容師さんも居たりするけどチップを入れると金額も恐ろしく頻繁に行くのは二の足を踏みます…。
    今回の帰省では無事に以前お願いしていたサロンでショートボブにしてもらいました。軽いストレートの処置もしたので暫くはこのまま伸ばそうと思います。
    さりとてロングでは白髪が悩ましい。

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    1. 切り始めた時は、まさかこんなに短くなるなんて思ってもいませんでした(^^;) 肩ぐらいの長さで、広がらないように内側を梳いて…ぐらいに考えていたんですよ。それが、どんどん短くなってしまって、かなり焦りました。なんとかショートらしくカットできたからよかったものの、最悪の場合はウィッグを買わなきゃいけないかも、と思いました。笑
      私も日本に帰ると真っ先に行くところは美容院です。伸び放題の髪をなんとかしないと、日本の街中は歩けないような気がして…。ショートボブ、素敵ですね。私はたぶん縮毛矯正をしないと、きれいな形にはならないような気がします。憧れるなぁ。セルフカットでショートボブはハードルが高いけれど、これからは伸びた分だけを少しずつ切っていけば、ショートを維持できるかもしれません。

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  2. ほんと てまり・スノーボールみたいで、真っ白、存在感ありますね。見た感じ、アジサイとは違ってたれさがっているように見えるけどどうなのかな? 
    白鳥の湖、曲はよく知っているけど 実際にバレエ鑑賞は未だに未体験。。。バケットリストの一つです。でも、なにかしらの背景とかをお勉強して行くといいんでしょうね。 
    6時間かけてのヘアカット。。。それにしても自分でできちゃったというのはあっぱれです!! 私が覚えているJさんはいつもショートだったけど、しばらくはのばしてたのね。
    私は前髪とサイドは自分でもどうにかなると思うんだけど、後ろはまったく無理。。。失敗するのが確実だから挑戦しようとさえ思えません。 でも自分でカットできればかなり出費が浮きますよね。ここの美容院は結構チャージする上にチップまで払わないといけないから。。。だから私も出向くのはカットとハイライトを半年に一度です。日本ではショートボブが流行っているようですね。日本の美容師さんは勉強熱心で練習も欠かさないから上手だし、安心して任せられるところがいいよね~。

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    1. テマリカンボクは紫陽花よりは高さのある低木で、全体的に花が咲きます。この花はたまたま垂れ下がった枝についていたんだね。もっと全体的に写真を取ればよかった。
      私も白鳥の湖は今回が初めてでした。とっても優雅なバレエでしたよ。男性ダンサーばかりで白鳥の湖を踊る「Matthew Bourne's Swan Lake」というのもいつか見てみたいと思っているんだけど、Las Vegasならいざ知らず、こんな田舎町には来ないのですよ。
      ヘアカットは本当に四苦八苦しました。6時間もかかったんだものね。想像できるでしょ!? 日本にいた頃は2か月に一度くらいは美容院でカット(とカラー)をしていた(ができた)から、ショートでもよかったんだけど、ここではまず上手な美容師さんがみつからないし、カットとカラーを2か月ごとにしていたら、破産しますね、笑。Ziggyさんの髪はまっすぐでサラサラで本当にきれいだから、ロングでもミディアムでもショートでもなんでもできそう。セルフカットなんてする必要もないよねー。
      ショートボブは本当に素敵なスタイルなんだけど、セルフカットでは無理でしょうねぇ。今回の私の髪型はショートボブより短くて、普通のショートとハンサムショートの中間ぐらいかな。トップだけは少し長めで、耳の上ぐらいまであります。

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