東京マラソンを走るためには、数日前から有明の東京ビッグサイトで開催されるExpo会場に受付(ゼッケンや当日に私物を入れて預ける袋などの受け取り)に行かなければなりません。
大会二日前の金曜日、東京ビッグサイトに向かうために大崎駅で国際展示場行きの電車を待っていると、電車の扉ひとつ分ほど離れたところにいた女性がなにやら手を挙げてこちらを見ています。どうも私に向かって手を振っているようなのだけれど、知らない人なのできょろきょろしてしまいました。するとその東南アジア系の若い女性が近づいてきて、英語で「この電車(目の前に停まっている)は国際展示場に行きますか?」と訊いてきました。その電車のことはわからないけれど次の電車は確実に行くのがわかっていたから、その旨を伝え、そのプラットフォームにいた大半の人たちがきっとそうであるように「あなたも東京マラソンを走るの?」と訊くと、彼女はボランティアの受付に行くとのことでした。同じ方向に行くことだし、一緒に行きましょうか、と連れ立って電車に乗りました。尋ねなかったけれど、不思議なのは、駅のプラットフォームには大勢の人がいたのに、なぜ私に話しかけたのか、なぜ英語が通じると思ったのか。私の見た目は普通の日本人だと思うんだけどなぁ。
彼女はタイのバンコクに住んでいて、東京マラソンのボランティアをするために前日に到着したばかりとのこと。日本は初めてと言っていたけれど、スマホを片手に難なく行動しているようでした。
ビックサイトではランナーとボランティアの受付は別の棟だったのだけれど、彼女がランナーの受付に一緒に行きたいと言うので、私の受付を済ませてから 同じ棟で開催されていたEXPOをひと通り見て(アシックスのブースは、特に外国人に大盛況でした)、記念に東京マラソングッズをほんの少し購入してボランティアの受付に私も同行しました。

ボランティアの受付はランナー受付(長蛇の列)とは打って変わってこじんまりとしたホールで行われていました。金曜日だったからか受付に来ている人もまばらでした。ボランティアの受付もランナー同様にチェックインするだけだと彼女は思っていたようなのだけれど、実際には説明会があって、数人ごとにテーブルを囲んで説明を受けていました。私が同行した彼女、ビルさんもテーブル席に案内されて説明を受けるようだったので、私は「ここで待っているね」と声をかけると、それを聞いたグループリーダーの方が、私にも同じテーブルに座るように勧めてくださいました。ある程度の人数が集まるまで説明会は始まらないので、その間にリーダーを含めて雑談などしていると、リーダーさんはアフリカの出身(国名を失念しました。タンザニアだったかな)とのことで、周りの日本人の方とはとても流暢な日本語で会話をしていました。私たちのテーブルは外国人ボランティアの方々の説明会だったので、会話はほとんどが英語でした。「今日は付き添いで来たの?」と訊かれたので、私は実はランナーで、ビルさんとは駅で偶然に会って意気投合したのだと話すと、マラソンを走る人がボランティアの説明会に参加することはとても珍しく、ボランティアの活動内容を知ってもらえるのはうれしいとリーダーさんは言っていました。
実際、ボランティアはその存在なくしてはマラソン大会を開催できないほど重要だと、どんなに小さな大会でも感じることなのだけれど、この時にボランティアの説明会に参加して、その感謝の気持ちが何十倍にも膨れ上がりました。私たちが呑気に走っていられるのは、こうしたボランティアさんたちの奉仕のおかげなのだと。説明会の後にテーブルにいた4,5人のボランティアさんから「マラソン、頑張って!」と声をかけていただいたので、私もみんなへの感謝を伝えました。リーダーさんは背が高くて細身でケニアやエチオピアのランナーのようにかっこよかったので(ステレオタイプですみません)、リーダーさんもランナーなんですか?と訊いてみたら、ご自身ではマラソンはしない、と。でも体育教師だからアドバイスはできるよ、と言って、カフェインはいつ頃摂るといい、などと教えてくれました。
ビルさんは12㎞、リーダーさん他は17㎞の給水地点にいるということだったので、見かけたら声をかけるね、と約束して解散となりました。
そのあとは、ビルさんと遅いランチをすることになり、お台場のほうまで歩いていくと、Tokyoというサイン(彫刻?)の前で写真を撮っている外国人たちがいて、東京マラソンのシャツを着ていたので、「マラソン走るの?頑張って!」と声をかけると、相手も「ありがとう」と返す。いいなぁ、こういうの。ランナー文化だなぁ。

(私たちも写真を)
で、肝心のランチは、彼女が食べたいというお好み焼き屋さんに行きました。私もお好み焼きは久しぶり。 食事をしながら日本のこと、タイのこと、アメリカのこと(ビルさんもアメリカに住んでいたことがあるとのこと)などの話に花を咲かせました。私が二人分のお会計を済ませると、ビルさんが抗議するので、ここは私の国だから私がおもてなしするけど、私がバンコクに行ったら、ご馳走してね。と伝えたのでした。
さて、マラソン当日、12㎞地点の給水でビルさんには会えたのでしょうか? (続く)
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