2025年4月28日月曜日

イベント盛りだくさんな週末

 


 今週末はいろんな出来事がありました。

金曜日の午前中に畑仕事をしていたら、突然Sちゃんから電話があって、「急なんですけど…」とその日の午後にイチゴ狩りに行きませんかとお誘いを受けたのでした。「わーい、行きます、行きます」と二つ返事で応え、畑仕事は放り出して出かけました。Sちゃんは少し前にお勤め先が変わって、我が家が通り道ではなくなってしまったので、久しぶりに会いました。

そういえば去年もSちゃんがイチゴ狩りに誘ってくれて、郊外の広~いイチゴ農園に出かけたのだけれど、今年はなんと家から15分ぐらいで行ける、住宅地に挟まれたような場所にある農園でした。昨年はSちゃんが通う日本人教会の方々とご一緒して、それを機に、私はクリスチャンでもないのにいろいろなイベントを通して多くの方々と交流させていただいたのでした。今年のイチゴ狩りにも、もうすっかり仲良しになった教会の人達が何人か参加して、わいわいガヤガヤとおしゃべりに夢中になりながら、真っ赤で艶々なイチゴを摘んでいたら、あっという間にカゴが一杯になりました。味見をしてもいいというので食べてはみたものの、やはり大味で、日本のイチゴのような甘さは期待できませんでした。ただ、市販のイチゴよりはずっと美味しくて、香りや風味が最高でした。香りがいいから生食するならアイスクリームと一緒に食べようと思って、帰りに買って帰ったのだけれど、翌朝の朝食時にイチゴを食べてみたら前日よりずっと甘くなっていました。おかしいなぁ、イチゴは追熟しないはずなのに。私の気のせいかと思ったら、Sちゃんも同じことを言っていました。



そして土曜日は、またまたSちゃんとウベ(ube)フェスティバルなるイベントに出かけました。私ったら、今の今(これを書いている今)までウベは紅芋のことだと思っていました!ubeって日本語で何というんだろうと調べたら、なんとubeはサツマイモじゃなくてヤマイモの一種なんですって!ひとつお勉強になりました。

Sちゃんはナースだからフィリピン系アメリカ人のお友達が多くて、フィリピン系の人しか知らないような情報が入ってくるらしいのです。興味半分で出かけてみたら、物凄い賑わいで、ほぼ全てがフィリピン系の人達でした。会場にはウベを使ったお菓子のベンダーやクラフト系のベンダーが所狭しと並び、一部のお菓子のベンダーには長蛇の列ができていました。Sちゃんと一通り見てまわり、せっかくだから何かお菓子を買って帰ろうと思って目に留まったのがドーナツ屋さん。なんでも、このイベントのために遠くから出張販売に来た有名なお店なのだそうです。買い求める人の列は会場の外まで続いていました。フェスティバルの開始時間からまだ1時間ほどしかたっていないのに、もうすでに商品が売り切れているベンダーもあったので、とりあえずここに並んでおくことにしました。こんなにたくさんの人が並んでいるんだから、美味しくないはずはないよね、と。一時間ほど並んでようやく順番がきましたが、ドーナツ1個のお値段が驚きの…$7.50!クラクラ~。$1を¥140で換算しても¥1050ですよ。日本にいたら、これでランチが食べられそう。このドーナツ1個の値段でミスドのドーナツいくつ買えるかな。そしてミスドのほうが絶対に美味しいはず。さらに、私ったら何を血迷ったか、4つも買ってしまったのですよ。ただのバカですね。

それでも、こんな見た目のわりには、生地がドーナツというよりケーキのようにフワフワで、中のクリームも甘さ控えめでなかなか美味しかったので、良しとしましょう。


そして、昨夜、日曜の夜は、 日本の航空自衛隊中央音楽隊と米空軍Heritage of America Bandの合同コンサートに出かけました。これもSちゃんがどこかで調べてきてくれた無料のコンサートで、近くのハイスクールの講堂で開催されたものです。毎年、隣接する市でこの時期に「Tatoo Festival」というイベントが開催されていて、私はずっといわゆる肌に入れるタトゥーのイベントだと勘違いしていたのだけれど、Tatooとは軍楽隊のパフォーマンスのことだったんですね。そのイベントに今年は航空自衛隊の中央音楽隊が参加していたそうで、そちらは有料だったものの、昨夜は小さな会場で無料のコンサートが開かれました。無料コンサートとは言え、侮ることなかれ。素晴らしいコンサートでした。最初は米空軍のブラスバンドが映画音楽や、テレビ番組の主題歌(?)やジャズのようなサウンドの曲を演奏し、まずまずでした。というのも、なんだか上手なのか、そうでもないのか、ちょっとよく分からない感じで、高校の上手なブラスバンドのレベルという気もしないでもないといった具合で。そして次に、自衛隊中央音楽隊が航空自衛隊の公式の曲を演奏すると、うわー! 今の言葉で言うと「レべチ」でした。続いて、スーパーマリオブラザーズ。こちらはノリノリ。指揮者も観客のほうを振り返って笑顔を見せたりして、お茶目です。次に、今回のTatooのために準備したという、この州のローカルな曲を披露し、最後は「Wings to Fly」として紹介された曲。日本人の多くは学校で歌ったことがあるはずというような英語の紹介で、何の曲だろうと思ったら、「翼をください」でした。これは懐かしさもあって、かなり感動しました。続いて、両楽団の混合で、オリンピックのテーマ曲、レナード・バーンスタインの曲を演奏し、最後の最後にStars and Stripes Forever(星条旗よ永遠なれ)で盛り上がっておしまい。とっても楽しいコンサートでした。

今週はSちゃんとラブラブな週末でした。



2025年4月21日月曜日

最近読んだ本

 もう4月だというのに、今年は読書がちっともはかどりません。特に日本語の本が…

私の読書は、お昼過ぎのひと時に英語の本を、就寝前にベッドの中で日本語の本を読むのが普通で、だいたい2冊を並行して読んでいます。この形式になったのは、夜は疲れすぎていて脳があまり働かないため、英語の本の内容が頭に入ってこないからなのだけれど、最近は日本語を読んでいても数ページで寝落ちしてしまうので、一冊読み終えるまでに数週間、場合によっては1ヶ月以上もかかるのです。そして、せっかく読んだ本の内容をすぐに忘れてしまうのも困ったものです。

Red Sorghum(紅い高粱)- Mo Yan (莫言)

昨年読んだ余華の「兄弟」「活きる」からの流れで、中国人で初めてノーベル文学賞を受賞した莫言の代表作のひとつを読んだ。語り手は、自分の父と祖父母とその周りの人々が中国のある農村で体験した日中戦争の出来事を語る。広大な高粱畑が生活のすべてであり、愛も戦争も死もこの高粱畑で繰り広げられる。日中戦争の物語ということで、日本軍の残虐行為が延々と描かれているものと思って読み始めたけれど、これは反日文学ではなかった。もちろん日本軍の非情な行為のシーンも多々あるものの、それと同じく革命軍や八路軍の同様のシーンもあり、全編を通して惨たらしい描写が絶えない。戦闘シーンと家族や人とのつながりが交互に語られ、その中で「死」が普遍的に描写されている。非常にダークな小説ではあるけれど、中国の歴史の一部として興味深く読んだ。


土と兵隊・麦と兵隊 火野葦平

こちらは日本兵の視野から日中戦争を描いた作品。土と兵隊は1937年の杭州湾上陸を弟への手紙として記しており、麦と兵隊はその後の徐州会戦の進行を記録したもの。ちょうどRed Sorghumの時代と重なることと(場所は違うけれど)、その他に個人的な興味があってこの本を手にした。というのは、私の祖父が徐州会戦を経験しているから。小学生の頃、祖母が家計簿に大事に挟んでいた新聞記事を見せてくれた。その紙面には若い祖父の写真と、その横に「行方不明」という文字があった。祖母は「戦争の時に…」と言っていたから、私は太平洋戦争のことだとずっと思っていたのだけれど、何年か前に実家の押し入れを整理していた時にこの家計簿と新聞の切り抜きが見つかって、大人になってこの記事を読んでみたら、徐州会戦の時のことだった。火野葦平が所属していた部隊と祖父の部隊は徐州に至るまで別の進路をとったようだから全く同じ経験をしたわけではないだろうけれど、似たような体験であったかもしれない。読みながら、私の知らない若かりし日の祖父がそこにいるような気がした。きれいごとばかりではない描写を同様に体験したかもしれない祖父はどう感じたのだろうか。ちなみに、行方不明になったはずの祖父は、太平洋戦争後、生存率数パーセントと言われるニューギニアから帰還している。

 


The Zone of Interest(関心領域)- Martin Amis(マーティン・エイミス/北田絵理子訳)

地球をぐるっと廻って、こちらは第二次世界大戦中のドイツ第三帝国。これは先述の2冊とは関係なく、この本を元にした映画が日本のアマゾンプライムで見られるというような話をどこかで聞いて、そういえば数年前にアカデミー賞を受賞した映画だったなと思い出した。アメリカではまだ有料でしか見られないけれど、その前に原作を読んでおこうと思い、図書館アプリで電子書籍を借りた。The Zone of Interest(関心領域)とは、アウシュビッツ強制収容所に勤務するナチス軍人らの居住区を指す。小説の主な語り手は3人。ナチス将校のトムソン、アウシュビッツ強制収容所の司令官ドール、ユダヤ人でありながらユダヤ人から没収した貴重品や装飾品の整理をするソンダ―コマンドのシュムル。司令官の妻ハンナを巡り、三人の男たちの人生と心理が変わっていく様子を描く。ナチスが収容所で行っていることを異常だと思わない異常さ。私が戦争文学を読む理由は、決して戦争というテーマが好きなわけではなく、戦時下での人々の心理がどういうものなのかを知りたいということがあるのだと思う。お国のために命を捧げるということ、残虐行為を正当化する集団心理など。いくら読んでも、平和ボケした自分には理解しがたい。

 


A Crack in Creation(クリスパー CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見)- Jennifer Doudna/ Samuel Sternberg

フィクションが続いたので、ノンフィクションを一冊。複雑極まりなかったゲノム編集技術をCRISPR Cas9という最新技術で一新してノーベル賞を受賞した作者が、発見に至るまでの道のり、未来への展望、そして危機感と危機管理について語った著作。前半の発見に至るまでの話はかなり科学的な内容ではあるものの、一般向けに書かれた本なので、そこまで難しくはない。私はゲノム編集の技術的なことなど何も知らなかったから、バクテリアに感染するウイルスがいることや、そのウイルスに対するバクテリアの免疫がウイルスのDNAの一部を切り取って上書きすること、そしてそのバクテリアの行動がゲノム編集技術につながったことなどを面白く読んだ。ゲノム編集に対する私の考えは決してポジティブではない。単純思考で言うと、私が見てきた中で、植物の中には交配するものとしない物があって、自然界の中で交配しないのにはきっと何らかの理由、交配してはならない理由があるからだと思っている。動物でも、ライオンとトラを交配することはできるけれど、その子供には繁殖力がないという。その子孫を残すと自然界にとってよくないからだろうか。この本が出版されたのは10年近く前のことで、著者はCRISPRを使えば、絶滅した動物を復活させることができると未来への展望として述べているが、つい先日、絶滅したダイアウルフ(ダイアオオカミ)をCRISPRで復活させたというニュースが流れた。マンモスを復活させるプロジェクトも進行中だという。植物の世界ではすでに様々なゲノム編集が行われていて、ラウンドアップに耐性のある大豆をモンサントが開発したことは有名だ。こうしたゲノム編集に関しては、自然な進化がスピードアップしただけだから安心だというのが一般的な考えらしい。またゲノム編集の展望として、遺伝性の病気を後天的に遺伝子治療で治すことが期待されている。鎌形状貧血やハンティントン病などがその候補になるという。私も個人的にハンティントン病に苦しむ人を知っていて、藁にもすがりたい思いというのはわかるので、ゲノム編集を一概に否定することもできないのだけれど、著者が危惧するのはそうした後天的な編集ではなく、胚芽を操作する生殖細胞系列の編集だという。良いとこ取りをした、いわゆるデザイナーベビーの誕生につながりかねないことや、編集した遺伝子が後世に伝わることの不透明な安全性に警鐘を鳴らす。ふと、カズオ・イシグロの「クララとお日さま」の子供達が編集された子供達だったなと思った。著者はそうしたゲノム編集の問題を提起、議論するシンポジウムを立ち上げている。自然の摂理というものは私たち人間が解明できないほど緻密にできていると私は思っていて、その一部を人がいじることで、何か大きな影響を引き起こすのではないかと心配になる。


 

 

2025年4月14日月曜日

一難去ってまた一難

 

 

春は花の話題ばかりですが、庭のテマリカンボクが咲き始めました。まだ緑色だけど、これから徐々に白く大きくなっていきます。後ろの赤い花は終わりかけているトキワマンサク。


 
こちらは今が満開のツツジ。ツツジの後ろのスペースはほとんど日の当たらない場所なのだけれど、ここにはこれからミョウガと青じそが生えてきます。ずっと後ろに見えるむさ苦しい場所は私の大事な枯葉コンポストです。
畑は菜の花だらけ。というのは、例年ならば菜の花は蕾のうちにせっせと採って、お浸しやお味噌汁の具にするのだけれど、今年は訳あってほとんど摘めなかったので、すべて花が咲いてしまったのです。その代わり、ミツバチは大喜びで飛び廻っています。油菜(ユーチョイ)と水菜と小松菜を同じ場所に植えてしまったから、思いっきり交配しちゃうな。さっきもミツバチが水菜の花に停まったあとに小松菜の花に飛んで行くのを目撃しました。
 
イチゴの花も咲いています。昨年はまだ青いイチゴの実をウサギか何かに食べられてしまったので、今年は鉄柵で囲っているのです。もう既にいくつか青い実が付いているので、あとどのくらいで収穫できるかなぁ。
 
さきほど、菜の花(の蕾)が収穫できなかったと書きましたが、それはなぜかというと、調理するキッチンがなかったからなのです。キッチンがない???
 
実はですね、昨年の11月、ちょうど感謝祭の前の週ぐらいに水回りの不具合が起きまして、ランドリールームからキッチンにかけての配水管と屋外に続く床下の配水管をすべて取り替えることになったのです。最悪なことに我が家の床下はコンクリート(Slab)なので、その一部を破壊しての置換です。
 
事の始まりは洗濯の排水がキッチンのシンクに逆流するようになってしまったことなのだけれど、しばらくそのままにして様子を見ていたら、とうとう排水口に差した洗濯機のホースから排水があふれ出てきて床が水浸しになってしまったのです。原因は、外に出る排水溝が詰まっていて、出口を失った水がキッチンシンクやランドリールームのパイプに逆流したことだったのだけれど、配水管の修理と清掃に来た業者さんが取り替えたキッチンシンク下のパイプが完全に密着していなかったか何かで、翌日食器の洗い物や洗濯をしていたらシンク下で水が流れる音がして、慌てて扉を開けて下を覗くと、どうもキャビネットの裏まで水浸しの模様。
 
それから保険会社と施工業者に連絡して、カウンター、シンク、キャビネット、食洗器などを外し、壁を取り除くと、一部の木材が腐朽しているとのこと(以前から問題があったのでしょうね)。新しい配管事業者が来て、コンクリートの床を砕いてみると、床下のパイプは崩壊寸前だったそうです。配管工事はほぼ保険でカバーされないので、すぐに配管工事は終わったものの、キッチンとランドリールームの施工と床材の張替えは保険適用なので、施工業者と保険会社の交渉が長引くこと、長引くこと。施工業者もダメもとでちょっと高い値段を提示したりするし、保険会社は例の「Delay, Deny, Defend」なのか何なのか、施工業者の提示に2-3週間も返事をしない上に、あれもダメ、これもダメ、となかなかOKが出ません。そんなことを何度も繰り返しているうちに、4か月もキッチンなし、ランドリールームなし、という生活を余儀なくされてしまったのでした。その間、食費もコインランドリー代も保険会社が払ってくれるんですけどね。
 
でも私は毎日外食やテイクアウトは無理。日本だったらコンビニやスーパーのお弁当で毎日暮らしていけると思うけど、ここアメリカで毎日外食なんてしたら、高血圧(塩分過多)と肥満(脂肪分過多)で寿命が縮みます。炊飯器があるんだからご飯を炊けばいいじゃない、と思うでしょう?でもシンクがないからお釜が洗えないんです。バスルームのシンクではお釜が大きすぎて洗えないし、バスタブの蛇口も難しいのです。キッチンシンクが使えないのが一番つらかったな。
 
そんなわけで、4か月余りヒドイ食生活をしていたわけなのですが、先週とうとうキッチンが元通りになりました。ばんざーい。あ~、ごはんの炊けるいい匂い~。
 
と、ホクホクしていたら、床材の張替えでリビングルームの古い床材を剥がしていた業者さんが、「あ、水が出てきた」と。床材とその下のプラスチック材の下に水がたまっていたのです。どうやら壁をへだてた向う側の寝室のバスルームから水が漏れていたもよう。壁に水染みがあるわけではないから、床を剥がすまでそんなことがあるとは思ってもみませんでした。幸い床がコンクリートなので、リビングの床下に被害はなかったものの、バスルームは水漏れ調査の結果、シャワー全面取り替えとパイプの交換になりそう。これはもう保険会社を通さずに自己負担で修理します。
 
古い家を修理・改築して丁寧に住むというアメリカの生活様式は素晴らしいことだと思うけれど、自分が当事者になってみるといろいろ考えてしまいますね。