2025年2月6日木曜日

浦安/シンガポール/横浜 シンガポール編1

 シンガポールを訪れるのは20年ぶりです。あの時は夫が出張でシンガポールに3週間ほど出かけていて、確か、帰る頃がちょうど感謝祭の週末と重なったので、私と子供達が休みを利用してシンガポールに行ったのではなかったかと思うのだけれど、10月だったような気もします。あの頃はシンガポールのことなど何も知らずに、何を見ても珍しく感じたことを覚えています。屋台が並ぶホーカーセンターで珍しい料理を食べたという話を現地の夫の職場のアメリカ人女性に話したら、「You are brave(勇気あるわねー)」と言われたことも。

さて今回20年ぶりに訪れたシンガポールは、大都会でした!

シンガポールではアラブストリートに近い場所にあるホテルとオーチャード通り辺りのホテルに泊まったのだけれど、どちらも近くにモールのようなショッピングセンターが幾つもあって、平日でもとにかく人出が多く大賑わいでした。これだけの人が毎日毎日買い物や飲食をしているというのは、経済が上向きな証拠なのでしょう。20年前には見た覚えのない高層ビル群や整備された公園など、発展している国というのは20年でこんなにも変わるものなんだなと感じました。そうそう、20年前はまだあの有名なマリーナベイサンズがなかったんですよ。

さて、初日はシンガポールに着いたのがすでに夕方で、ホテルにチェックインしてから軽く食事をして早々に寝てしまいました。

翌朝はホテルで朝食を済ませて、また空港に向かいました。チャンギ空港に隣接する施設「Jewel」内の巨大な滝を見に行くためです。というか、その日のメインイベントに向かう通り道だったということもあるのかな。今回の旅行も娘がほとんど計画して、私は彼女のあとを付いていくだけという恰好でした。

 

 

 

周りを囲む壁には熱帯の花や植物が植えられ、5階ぐらいの高さから階段や通路を伝って下に降りられるようになっています。その真ん中には天井から水が落ちる圧巻な滝があります。娘もここは初めてとのこと。フライトの発着時についでに見ればいいのかもしれませんが、出発前や到着後はバタバタしていることが多く、そんな余裕はないかもしれませんね。

午後はフェリーに乗ってウビン島という小島に渡りました。フェリーというと聞こえはいいけれど、釣り船みたいな船で、乗船客も私たちを含めて10人ほど。出航時刻というものはなく、乗り場に10人ぐらい集まらないと船は出ないようでした。

20分ぐらい(うろ覚え)船に揺られていると、島に着きました。海の上からはすぐ近くにマレーシアが見えます。港の近くにある貸自転車屋さんでレンタサイクルをして、島の中を自転車で駆けまわりました。島を縦横する舗装された道や砂利道ではほとんど車に出会うこともなく、近くの石切り場に出入りすると思しきトラック何台かとすれ違っただけでした。道のまわりは背の高い木々や熱帯植物が生い茂る森で、聞こえてくるのは、キーキーと啼く鳥の声と木の葉が風でさらさらとそよぐ音ばかり。途中で同じように自転車に乗った観光客数人に会ったけれど、それ以外は私と娘の二人だけの世界でした。上り坂ではふうふう言いながらペダルをこぎ、下り坂はブレーキもかけずに猛スピードで駆け下りました。そうしているうちに島の対岸についてしまい、そこからは来た道を戻るしかないらしく、猛スピードで下りて来た道を、今度は懸命にペダルをこいで上がって行きました。すると雨が降ってきたので、道端に設置されている屋根付きの休憩所のような場所でしばらく雨宿り。シンガポールはちょうど雨季で、滞在中は一日に何度も短い雨が降ったりやんだりしていました。

夕立のように激しく降る雨が熱帯植物の大きな葉を打ちつける様子を見ながら、モームの「雨」を思い出しました。あれは南太平洋のどこかの島の話だったけれど、あの雨もそのときに私が見ていたような熱帯の激しい雨だったのかな、と。若い頃にこの短編を日本語訳で読んだ時には結末がさっぱり分からなかったのだけれど、今回の旅行から帰ってきて英語の原作を読んでみたら、結末を示唆するような遠回しな表現があちらこちらにあることに気付いて、結末が分かったような気がしました。(検索すれば、結末が何を意味しているのかという解説があるとは思うのだけれど、それは敢えて見ないことにします)

雨が止み、また来た道を戻って行くと、道端に何匹かのお猿がいました。親猿もいてちょっと怖いので私はゆっくりと通り過ぎたのだけれど、森の中からはキーキーと騒ぐ相当数のお猿の声が聞こえてきます。バナナの木もあったみたい。ある程度の距離を置いて振り返ると、私の後ろから来た娘がお猿のすぐ横で写真を撮っています。えっ、お猿の大群が襲ってきたらどうしよう。私が助けに行かなきゃいけないの?いやだー、早く来て~。そんな私の心配をよそに、娘は悠長に写真を撮っています。私はじっとそこで娘を待っていました。しばらくして娘が私の横に来て、

「ベイビーがいたよ、親猿のお腹のところに。見た? モンキーにもカンガルーみたいにお腹に袋があるなんて、知らなかったなー」

と言います。

あのー、モンキーは有袋類じゃないから袋はありません。しがみついていただけです。

娘ちゃん、ときどきこういう天然発言するのよねぇ。

 

こうして島の中を3時間ほど自転車で走りまわったのでした。岸辺のマングローブの林にはワニもいると聞いていたのだけれど、幸か不幸か遭遇することはありませんでした。何があるという訳でもない島で、自然の中を自転車で走りまわっただけなのに、なんだかすごく楽しかった。シンガポール観光というと都会的なことばかりのようなイメージだけど、こういう楽しみ方も新鮮でした。(つづく)

2 件のコメント:

  1. Jさん、お久しぶり! 恒例のMちゃんとの旅行だったんだね。
    さすがお二人、フットワークが軽い事!! 坂道を自転車で上がっていくなんてなまり切ってる私には無理ですから。
    雪のせいでフライトがキャンセルになって一日減っちゃったのは残念だったけど、楽しい時間だったようでなにより!
    日本とシンガポール、いいなあ。 シンガポールを訪れたのは私も横須賀にいたころだからもう20年近く前になってしまっています。
    Jewel、初めてみました。規模が大きくてすごいね。
    シンガポールはフルーツがとても美味しかったイメージがあるな~。 食事も、フードコートでさえも美味しかったし、ラッフルズ・ホテルのアフタヌーンティーは思い出深いし。。。
    やっぱり日系航空会社のフライトはお食事も違うんだね。 こないだ日本に帰った時にはあいにくこっちの航空会社のやつでかなり残念だったから。。。 それに私の時にはほとんど満席状態だったこともあって、しばらくは長距離は無理、なんて思ったくらいでした。

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    1. Ziggyさん、また今年も娘と旅行に行ってきました。
      自転車に乗るのは久しぶりで楽しかったんだけど、坂はきつかったなぁ。自転車はランニングとは別の筋肉を使うようで、翌日、翌々日と激しく筋肉痛になりました。
      シンガポールはフルーツが美味しいよね~。今回は季節が違ったのか、マンゴーを見かけなかったけれど、ホテルの朝食ビュッフェにロンガン(竜眼)やランブータンがありましたよ。私は香りの強いライチより、あっさりした味のロンガンやランブータンのほうが好き。
      由緒あるラッフルズホテルのアフタヌーン・ティーかぁ。素敵!今回は考えもしなかったけれど、次回があれば行ってみたいな。そうそう、シンガポールは紅茶がとっても美味しかったんですよ。
      全日空の天丼は、もちろんお店で食べるような天丼じゃなくて、どちらかといえばスーパーのお弁当のようなものなんだけど、米系エアラインの機内食が毎回あまりにも「むむむ…」なので、余計に美味しく感じました。デザートがハーゲンダッツのアイスクリームだったのも◎。
      私も年々長距離フライトが苦手になっていきます。今回もNYからシンガポールまでの直行便で行くという案もあったのだけど、フライト時間が20時間弱と聞き、絶対無理でした。毎回ファーストクラスに乗れるほど裕福になりたいものです(笑)

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