9月と言えば、東京マラソンの一般抽選発表!…となるのは、ランナーだけでしょうが、その抽選発表が先週の金曜日にありました。
東京マラソンは今ではワールドマラソンメジャーズ(World Marathon Majors)という世界7大大会のひとつで、海外からの参加者も多く、一般抽選の当選確率の低さは7大大会中で1,2位を競うという、もうスタートラインに立つこと自体が奇跡みたいなマラソンです。エリート選手を除く市民ランナーで自動確定になるのは、チャリティーにまとまった金額を寄付するチャリティーランナーと海外からのパッケージツアー購入者のみ(たぶん)。寄付もツアーも相当な金額です。まぁ、出場権を高額で買うということですね。その他の市民ランナーは応募者数が定員を超えた時点で抽選になるのだけれど、それにも段階があって、まず年会費を払ってOne Tokyo (Global)の会員になると、会員枠の優先抽選会があり、それに外れた人は一般抽選枠での二次抽選に降りてきます。その他には都民枠の抽選があって、これは東京都民だけの優先抽選会で、ここで外れてしまった人も自動的に一般抽選に降りてきます。そして最後が、会員でも都民でもない私のような人の唯一のチャンスである一般抽選になります。
これが、当たらないんだなぁ。私は今回で4回目の挑戦だと思うのだけれど(うろ覚え)、10回以上落選とか10年連続落選という強者もいるほどで、私の過去の落選回数なんてまだまだかわいいものですよ。そんなわけで、今年もダメ元で応募してみたのでした。
今年はニューヨークシティー・マラソンも落選だったし、ランニングアプリ「Strava」が開催するNYCのヴァーチャルマラソンの抽選(これに当選すると来年のNYC 出場権が確定するのです)もダメだったし、マラソンの抽選運はゼロに等しい。娘の彼氏のH君は去年のStravaのヴァーチャルの抽選に当選して(私は落選)、今年11月のNYCマラソンを走るのです。私が東京マラソンに応募したと言うと、「じゃぁ、僕も応募しようかな。でも僕だけが当選しちゃう予感がするな」と落選続きの私を揶揄するのでした。どちらにしてもH君は4月にボストンを走る予定だから東京を走るつもりはなかったんだけど。それ以前に当選しないって。
ある日、どこかで星占いを見ていたら、今週はくじ運がいいから宝くじなどを購入するとよいかも…というようなことが書いてあって、あれれー、まさか東京マラソン当選しちゃうのかな、と一瞬ウキウキしたのだけれど、抽選日はその次の週でくじ運のいい期間内ではなかったのでした。なーんだ。
昨年の抽選発表の日はちょうど日本にいて、結果のメールはいつ来るんだろうと何度もメールをチェックしたものでした。X(旧ツイッター)では当選したとか落選したとか投稿している人がたくさんいるのに、私にはちっともメールが来なくてずいぶんヤキモキしながら待っていたことを覚えています。午後になってようやくメールが届くと、今度はメールを開くのが恐ろしくなって、しばらく放置していたような。でも結果はメールじゃなくて、大会公式ページにログインしなきゃいけなかったのでした。そしたらやはり落選で、予測はしていたけど、かなりがっかりしました。どこかに「もしかしたら」という希望が残っていたんでしょうね。
今年はアメリカにいるので、発表はこちらの時間では真夜中です。朝起きたらメールが来ているんだろうなぁ、ぐらいの感じで寝てしまい、実際に朝起きたらスマホの画面にメールのお知らせが表示されていました。すぐに開こうかとも思ったのだけれど、まぁ、ちょっとコーヒーを淹れてから、他のメールをチェックしてから、と愚図愚図して、少し頭が働くようになってから開きました。というのも、結果はほぼ分かっているから、朝からがっかりするのはイヤだなぁと思って後回しにしていたのです。
でも、そろそろランニングに行かなきゃいけない時間だったので、意を決してメールを開き、大会公式サイトにログインしました。海外から応募する人は日本人であっても英語のサイトから応募しなければいけないので、結果のページも英語です。まず表のようなものが表れて、英語がずらっと並んでいて、一瞬どこに結果が書いてあるのかわからず、しばらく字面を眺めていました。まだ少し寝ぼけています。少し下に行くと、赤い文字で
Selected
と書いてあります。え?え?え?どういうこと?
We have received applications exceeding the field size, and after a rigorous drawing you are Selected.
と。
二度見ならぬ、十度見、いや百度見ぐらいしたけど、これは「当選」だよね。
えー?えー?えー?ホントに?ひゃー
まだ朝の6時台だったので夫はまだ寝ていて、起こしてこの一大ニュースを伝えるべきかと迷ったのだけれど、いや、まだ誰もこの事実を知らないこの時間を独り占めしよう、と外に走りに出かけたのでした。なんと楽しいランニングだったことか。一番最初に伝えたかった娘とH君はハワイ時間の真夜中だったから、当選結果のページをスクリーンショットして無言で送っておきました。二人とも驚いていました。週末に二人と話したら、H君は「僕が使ってるエナジージェルを送るから、ジェルの練習(ジェルにお腹を慣らすこと)して」といい、娘は「新宿のホテルを予約しようか」と、二人ともすでに私のコーチとマネージャーになっています。
東京マラソンのスタートラインに立つチャンスがやってきました。しかし、一生分の運を使い果たした気もします。あとは、ケガをしないこと。